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社員の給料が払えない。給料不払い・残業代未払いは刑事処分も|滞納SOS

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社員の給料

「今月も赤字だぁ…キャッシュフローがぁ…」

「このままじゃ来月の給料が払えないかも…」

あなたも経営者として、こんな悩みを抱えていませんか?

経営者たるもの労働基準法により賃金の支払い義務はあるものの、資金繰りが思うようにいかないことも多々あります。

では、法律で決められた義務を果たさないとどうなるのでしょうか?

そこで、社員の給料を払えないとどうなるのか?について解説し、あなたの会社に合った解決策をお伝えします。

 

サチコ
このページの要約

経営者であれば、社員の給料を支払うのは義務とされています。未払いの状態を放置しておけば犯罪として、罰金刑や懲役刑が科せられます。

そうならないための解決策として…

  • 役員報酬を減額してもらう
  • 銀行に借入・延滞の相談をする
  • 社員に謝罪し状況を説明する
  • 給料の減額を検討する
  • 取引先に支払い・入金のタイミングを交渉する
  • とりあえず最低限の生活費だけは払う
  • 「未払賃金立替制度」を利用する

という方法があります。詳しくは本文を参考にしてください。

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給料は月に1回以上、決められた日に払うのが原則

給料の支払い

労働基準法第24条では、給料の支払いについて4つの原則が定められています。

  1. 通貨払いの原則
  2. 直接払いの原則
  3. 全額払いの原則
  4. 毎月1回以上定期払の原則

特に4について、お給料は月に1回以上、しかも「25日」「月末」といった一定の期日を定めて支払わなければならないと決められています。

ですので、「今月は払えないから、来月にまとめて2カ月分を払うよ」とはいうわけにはいかないのです。

払えないと書類送検も

書類送検も

では、払えないとどうなるのか?を見ていきましょう!

「最低賃金法違反」で書類送検される

給料を払わないのは「犯罪」です。

最低賃金法では、「会社は社員に最低賃金額以上の給料を支払わなければならない」と定められています。

それが守られず社員の生活を脅かすことがあれば、労働基準監督官は会社に立ち入り、帳簿などを検査し、適切な措置をとるよう求めることができるとしています。

実際に10カ月未払いで書類送検されたケースも

2014年に神戸の会社経営者が従業員の給料10カ月分・370万円以上を支払わなかったとして、神戸地検に書類送検されたケースがあります。

「売り上げが厳しくて払えなかった」という理由で、書類送検される前年には事実上の倒産状態だったということですが、社員の給料だけは「倒産状態だから払えなかった」という言い訳が通用しないのです。

立ち入りを拒否すれば30万円以下の罰金

書類送検される前には必ず立ち入り検査がありますが、もしあなたが立ち入りを拒否したらどうなると思いますか?

実は、検査を拒否したり妨害したり、質問に対して嘘をついたりしても犯罪になります。

この場合、30万円以下の罰金が科せられますので注意が必要です。

 

残業代の不払いは「倍返し」になる可能性も

要注意なのは、給料だけでなく残業代を不払いした場合もです。

最近では「サービス残業」をさせないよう企業も対応しているようですが、残業代の不払いは労働基準法第37条により、6カ月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金となります。

また、社員から不払いの残業代を請求された場合、残業代にプラスして「付加金」を同額支払わなければならない可能性もあります。

つまり、残業代の「倍返し」です。

社員から訴訟される

社員から訴訟

未払いが3カ月、半年ともなれば社員の方も生活がかかっています。

この後でお伝えするような解決策をあなたが講じないとすれば、訴訟を起こされる可能性は高くなるはずです。

最初は会社に対して給料を払うよう「内容証明」が送られてくるでしょう。

それでも払わないようなら、次に裁判所から「訴状」が送られてくるはずです。

  • 140万以下の未払い・・・簡易裁判所
  • 140万円を超える未払い・・・地方裁判所

裁判ともなれば時間を作って出廷しなければなりません。

仮にあなたが支払えない理由をきちんと説明し、その証拠として帳簿などを見せたとしても、給料の未払いの場合、勝ち目はほぼありません。

そうであるなら、訴訟を起こされる前にきちんと対応したほうが賢明です。

サチコ
訴訟に発展すると、会社の信用にも大きく傷がつくことになります

払えない場合の解決策。役員報酬減額などまずはできることから

では、あなたが訴訟を起こされたり、書類送検されたりしないよう解決策を見ていきましょう。

会社がどの程度の危機を迎えているかによっても解決策は変わってきます。

猶予があるのであれば、「経費の見直し」や「不動産など資産の売却」の検討も解決策としてありますが、ここではかなり切羽詰まった状態での解決策をお伝えします。

  1. 役員報酬を減額してもらう
  2. 銀行に借入・延滞の相談をする
  3. 社員に謝罪し状況を説明する
  4. 給料の減額を検討する
  5. 取引先に支払い・入金のタイミングを交渉する
  6. とりあえず最低限の生活費だけは払う
  7. 倒産の危機にあるなら「未払賃金立替制度」を利用する

1.役員報酬を減額してもらう

役員報酬は通常、キャッシュフローが回らずに不渡りになってしまう…といった状況のときに、社長なり役員が自分のお金を回せるよう高めに設定するのが常識です。

基準としては、社員の平均給与の3倍が妥当だと言われています。

つまり、役員は「いざ!」という時に備え、月々の役員報酬から個人的に蓄えておく必要があり、だから社員の3倍ももらう権利があるということです。

ということは、社員の給料が払えないという状態は「いざ!」に値しますので、役員報酬をカットしたり、役員から給与分の借り入れができないか相談してみる方法もあります。

2.銀行に借入・延滞の相談をする

銀行に相談

銀行からの借入があるのであれば返済を待ってもらう、または新たな借り入れの相談をするという方法もあります。

「銀行に相談に行ったら信用がなくなるのでは?」

「経営が苦しいのだから貸してくれるわけがない」

あなたも銀行に対して、こんな風に思っているのではありませんか?

実はこうした相談には、銀行は意外と柔軟に対応してくれます。

その理由は、取引先に倒産されては困るからです。

ですので、あなたに事業を継続していく意思があるのであれば、よほどあなたの会社が信用されていないか、絶望的な状況にない限り「当面は利息だけの支払いでOKですよ」といった提案もしてくれます。

ただし、延滞してから相談するのではなく、事前に相談することで銀行側は、あなたのことを「誠実な人物」として評価してくれます。

何もなく返済しているときよりも、こういうときにこそあなたの人柄を銀行に知ってもらうチャンスだと捉えるのも悪くないでしょう。

3.社員に謝罪し状況を説明する

「給料を払う予定はしていたものの、売掛先が倒産して当てにしていたお金が入らなくなった…」など、急きょ払えなくなるケースもあるでしょう。

そのような場合であれば、まずは役員や顧問にも話を通したうえで、社員に事情を説明しましょう。

その際、倒産が決定しているならば別ですが、事業を継続していくのであれば

  • なぜ今回、給料が払えなくなったのか?の理由
  • いつなら払えるのか?の目安

この2点をしっかりと説明できるようにしておいでください。

今後の方針を何も示さずに、ただ「待ってくれ。必ず払う」では社員からの信頼は崩れてしまいます。

4.給料の減額を検討する

給料の減額

「今月」「来月」というスパンではなく、「会社の業績はしばらく回復の見込みなし」と経営者陣が判断したのであれば、社員の方々の給料を「減額」するというのもひとつの方法として考えてもいいのかもしれません。

ベストな選択かどうかは別として、無理をして倒産しては元も子もありません。それでは返って社員たちを路頭に迷わせることになりかねません。

だからと言って、会社側が一方的に減額をすることは法律で認められていません。

  • どうして下げるのか?の理由
  • いくら下げるのか?の金額
  • 上がる可能性はあるのか?の見通し

といった内容をきちんと説明する場を設けたり、個別に伝えたりすることが必要です。

また、同意を得たからと金額をいくらでも下げられるわけではありません。

労働基準法91条では、給料の減額について「1日の平均賃金の半額、総額が十分の一を超えてはならない」と定めています。

ただし、この定めは社員が会社に損害を与えたりした場合の処罰に対して定めてもので、処罰の対象だとしてもその限度額は給料の1割となっていますので、会社の経営悪化という理由で減額するとすれば、それよりも多いというわけにはいきません。

また、1割が限度であろうという判決もあります。

状況によっては社員のリストラも視野に入れておく

リストラ

減額だけではどうにも太刀打ちできない場合、経営者として苦渋の選択となりますが「リストラ(整理解雇)」も視野に入れておきましょう。

ただし、リストラするには以下の「整理解雇四要件」に該当するかが重要です。

  • 人員削減が本当に必要なのか
  • 人員削減の手段として整理解雇が適しているのか
  • 解雇者の選定方法が妥当なのか
  • 解雇手続きが妥当なのか

整理解雇についてはこちらのサイトを参考にしてみてください。

「(86)【解雇】整理解雇|労働政策研究・研修機構(JILPT)」

 

5.取引先に支払い・入金のタイミングを交渉する

事業の内容にもよりますが、仕入先、外注先に事情を話し支払いのタイミングを延ばしてもらえないか交渉をする方法もあります。

また、売掛先に早めに入金してもらえないかの相談をしてみるのもいいでしょう。

ただし、先方も経営が苦しい場合もあります。

「支払いを遅らせてほしい」といったお願いはできるだけ早めに連絡するのがルールです。

事前に予測できるようであれば「来月、支払いの件で相談させてもらうかもしれません」といった話をしておくのが、経営者としてとるべき態度でしょう。

相手側も経営が長くなればなるほどいくつも危機を乗り越えてきていることでしょうから、あなたの会社の苦しい状況は理解してくれるはずです。

お金の話だからと遠慮して倒産ということにでもなれば、返って取引先にも迷惑をかけることになりますので、ここは躊躇せず相談してみてください。

6.とりあえず最低限の生活費だけは払う

社員の中には、預貯金がまったくない人もいるはずです。

「全額待ってくれ!」とは言えませんので、社員にヒアリングしたうえで最低限必要な生活費だけでも払えるようにするという方法もあります。

ただし、社員との信頼関係がなければ、こうした話し合いは難しいかもしれません。

7.倒産の危機にあるなら「未払賃金立替制度」を利用する

独立行政法人労働者健康安全機構

もしもあなたの会社が「倒産するしかない」という状況であれば、独立行政法人労働者健康安全機構の「未払賃金立替制度」を利用する方法もあります。

利用できる条件

  1. 1年以上事業を行っていた
  2. 事実上の倒産、法律上の倒産をした

立替てくれる金額は、未払賃金額の8割です。ただし、社員の退職時の年齢に応じて88~296万円という制限が設けられています。

未払賃金立替制度の詳細についてはこちらのサイトでご確認ください。

「Ⅰ未払賃金の立替払制度の概要」

まとめ 社員の生活を考えるのは経営者として当然の義務

「払いたいけど払えないんだから仕方がないだろう」

あなたの苦しい気持ちやしんどい状況はお察ししますが、こんな考え方は世間では通用しません。

経営者として社員を雇った以上、生活を保障するのは当然の義務です。

労働基準法にも、たとえ東日本大震災のような地震が起きて工場や事務所が崩壊したとしても、経営者は必ず給料を支払う義務があり、それを免れることはできないないと定められています。

ただし、どうにも立ち行かなくなった場合には「倒産」という方法もやむを得ないのは事実です。

経営者だからと、あなた一人が全責任を背負う必要はありません。

その場合も、要は社員や取引先への「誠意」を示すことが大切です。

もし倒産ということになったのであれば、積極的に「未払賃金立替制度」を利用してください。

この制度で未払い分の給料を受け取ることができた人は2014年度で30,546人にものぼり、その立替総額は118億円にもなっています。

最後まで働いてくれた社員のために、あなたがベストな選択をできますよう願います。

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