市県民税が払えない、滞納寸前という方のための情報をまとめます。
住民税の滞納者には3つのタイプの人がいると言われています。
- 1つ目は、とにかくがんばって返そうとするタイプ。
- 2つ目は、返せないからと投げやりになってしまうタイプ。
- 3つ目は、はなから払う気がないタイプ。
ズバリ、あなたはどのタイプですか?
今の世の中、政治家や役人たちの不祥事を見ていると…。
「何で自分たちだけ真面目に税金を払わなくちゃいけないんだよ!」
そう思う人のほうがまともだと言っても過言ではないでしょう。
ここでは住民税が払えなくて困っている人に向け、「払わないとどうなるのか?」についての疑問を解決します。
最近は役所の対応が厳しく、「督促状」が届いて「差し押さえ」までの日数が短くなっています。
ただどうしても払えないという方のために、「分納」「猶予」「減免」といった方法もあります。
このページを参考にし、1日も早く住民税の呪縛から解放されましょう!
住民税ってどうやって算出されてるの?
ところで、住民税がどのように算出されているのかご存知ですか?
毎年必ず支払うものですが、どういう基準で、どのような計算式で定められているかイマイチピンときていない方もいるかもしれません。
大まかな住民税の算出方法の流れとしては以下のようになります。
- 前年度の給与所得(給与収入から給与所得控除を引いたもの)を調べる
- 扶養親族、社会保険料などがある場合、所得控除額を計算する
- 1の給与所得から2の所得控除額を差し引く
- 3が200万円を超えるかどうかで、調整控除額を計算する
- 市区町村民税+都道府県民税-調整控除額で住民税額を算出する
カンタンに追いかけてもわかるように、慣れない方にはかなり煩雑な計算式となっています。
サラリーマンの方は6月~翌年5月にかけて給与から天引きされますので、特に気にかけたことはない、という方も多いでしょう。
しかし給与所得のない方や個人事業主の方は、こうした計算式から自らの住民税を計算しなければなりません。
そのためネット上には各種税金に関する計算機やシミュレータがたくさん設置されています。
サラリーマンの方も、自分の住民税がどのくらいなのか、今一度確認してみてもいいかもしれませんね。
差し押さえられた不動産や車、宝石などは売却され滞納分に充当
では、住民税を払わないでいるとどうなるのでしょうか?
各自治体によって異なりますが、督促から差し押さえになるまでの流れは以下のようなになります。
督促状や差押え通知書などが届く日数に関しては、各自治体によって違うのでハッキリとは言えません。
厳密に言えば住民税の納期限を1日でも過ぎれば、あなたは立派な「滞納者」として扱われることになります。
では、滞納から差し押さえまでの一連の流れについて、もう少し詳しく見ていきましょう!
納期限までに払わないと20日以内に督促状が届く
まず、督促状がいつ頃に届くのかについて。
住民税の納期限までに支払わないと、20日以内に督促状が送られてきます。
国税に関しては納期限から50日以内と定められています。
しかし住民税などの地方税に関しては、地方税法第329条で、「市町村の徴収吏官は、納期限後20日以内に、督促状を発しなければならない」と法律上で定められているのです。
督促状発送日から10日で差し押さえられるケースも
督促状が届いても無視しているとどうなるのでしょうか。
「差し押さえって言ったって、そんなにすぐには来ないだろ…」
こんな風に甘くみていると痛い目に遭うこともありますので注意が必要です。
督促状を無視していると、次の段階として役所の担当者から催促の電話が掛かってきます。
直接、自宅を訪ねてくることもありますし、税務署から問い合わせがあることもあります。
法律上(地方税法第331条)では、差し押さえの要件は次のように定められています。
「督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき」
つまり、すでに督促状が送付されているのであれば、一連の流れにある「最終通告書」や「差押通告書」を発送する手順を踏まなくてもよいのです。
いきなり差し押さえたられたとしても、違法だと訴えることなどはできません。
あなたの手元にある督促状の裏面を見てみてください。
例えば、こんな風に書かれていませんか?
つまり、ここに書かれてある“滞納処分”が、法的処分となる「差し押さえ」ということなんです。
最近は悪質な滞納者が増えていることから、“預金口座や生命保険が本人も知らないうちに差し押さえられていた…”というケースもあります。
できれば督促状が届いた段階で支払うことをお勧めします。
払わないでいると高額の延滞金が加算される
督促を無視して滞納を続けていると、当然ながら「延滞金」が加算されることになります。
これはきちんと期限までに税金を払っている人との公平さを保つため。
以下の表を見ると分かりますが、以前に比べれば利率が低くなったとはいえ、半年、1年と滞納していれば延滞金の額も馬鹿になりません。
滞納額が多ければ、その分、滞納金の額も多くなります。
ですので、マイナンバー制度が実施されて逃げ切ることが難しくなった以上、できるだけ早く払えるようにしましょう。
どうしても難しい場合は、後程お伝えする「分納納付」や「減免」「猶予」という方法もありますので、ぜひ参考にしてください。
住民税・延滞金の割合(利率)の推移
納期限後 1カ月以内 |
納期限後 1カ月以降 |
|
平成20年1月1日~平成20年12月31日まで | 年4.7% | 年14.6% |
平成21年1月1日~平成21年12月31日まで | 年4.5% | 年14.6% |
平成22年1月1日~平成25年12月31日まで | 年4.3% | 年14.6% |
平成26年1月1日~平成26年12月31日まで | 年2.9% | 年9.2% |
平成27年1月1日~平成28年12月31日まで | 年2.8% | 年9.1% |
平成28年1月1日~平成28年12月31日まで | 年2.8% | 年9.1% |
平成29年1月1日~平成29年12月31日まで | 年2.7% | 年9.1% |
平成30年1月1日~平成30年12月31日まで | 年2.6% | 年8.9% |
延滞金の計算方法
税額×延滞した日数×延滞金の割合÷365日=延滞金
例)住民税20万円の場合
- 納期限・・・平成27年4月30日
- 納付日(実際に支払った日)・・・平成28年6月25日
詳しい計算式は省略しますが、
- 納期限後1カ月以内の延滞金:475円
- 1カ月以降の延滞金:19,496円
ということで、合計で『19,971円』の延滞金がつきます。
なお、地方税は「延滞金をつけるかつけないか」について市長決済で決めることが認められている地域もあります。
延滞金の割合については毎年特例基準割合が変更されます。
本年度の割合を詳しく知りたい方は、住民票のある地域の役所の納税課に直接問い合わせるか、役所のホームページで確認してみてくださいね。
また、実際にどの程度の期間で強制的な差し押さえの手続きをしてくるかは各自治体によって異なります。
例えば「他の地域が半年滞納しても大丈夫だったから」とのんびり構えていると、いきなり差し押さえが…という事態にもなりかねませんのでご注意ください。
勤務先に連絡が行き給与の差し押さえになることも
では、最終的に無視し続けて払わないでいるとどうなるのでしょうか。
役所は最終手段として「差押処分」を行います。
ここまでくると、サラリーマンやOLの方であればかなり被害が大きくなります。
給与を差し押さえるため、役所から勤務先へ通知が行くこともあるからです。
今はほとんどの会社が給与の支払いを本人の口座へ振り込むシステムとなっています。
すると職場に、滞納者本人の振込口座や給料の額などの情報を回答しなさい、という通知が届いてしまうわけです。
こうなるとその会社で働けなくなる可能性も出てきますので一大事です。
銀行口座が凍結され“生活費ゼロ円”になる可能性も
給料の差し押さえで対象となるのは「振り込まれる給料の1/4」です。
しかし「口座差し押さえ」という処分になった場合、さらに問題は深刻になります。
それは銀行口座が凍結されるため、その口座にあったお金を引き出すことができなくなってしまうことです。
また預金残高が滞納額に満たない場合は、給料だけでなくそれ以降に振り込まれるすべてのお金が差し押さえ対象となってしまいます。
さらに延滞金も含め、すべての滞納金を払い終えるまで口座の差し押さえは続きます。
家賃の支払いや公共料金も払え、という状態にまで事態は悪化してしまいます。
- 個人事業主の場合は、所有している自動車や電話番号
- その他、商売をする上で必要なパソコンやプリンターなどの道具
- 事務所を借りている場合などは、家主に預けている保証金や敷金
上記のようなものも差し押さえとなります。
また、取引先から受け取るはずのギャラや売掛金などの債権があれば差し押さえの対象になります。
役所から取引先にも通知が行きますので、取引先からの信頼も失うこととなり、事業そのものを継続することが困難になる可能性もあります。
「払えない!」と分かった段階で迷わず相談に行くこと
では、ここからは住民税が払えない場合の解決策についてお伝えしていきます。
まず大切なのは「払う意思がある」ということを示すことです。
督促状が来る前でも、「このままでは支払えない」と分かった段階で、できるだけ早く役所の窓口へ相談に行きましょう。
万一、督促状が届いてしまったのであれば、善は急げ!即行で相談しましょう。
直接窓口に行けないのであれば、電話でもOKです!
大切なのは「払う意思がある」ということを伝えることです。
情状酌量の余地があれば差し押さえを免れることも
「でも、どうやって払っていけばいいの?」
もちろん、払えるのに払わない人は論外です。
- 「リストラされた」
- 「病気で働けなくなった」
こうしたやむを得ない諸事情により、“払いたくても払えない”という方は、まず役所の窓口に行き、担当者に現状をキチンと説明しましょう。
- 「なぜ、払えなくなったのか?」
- 「いつ頃から、いくらずつなら毎月払っていけるのか?」
といったことがキチンと説明でき、「情状酌量の余地がある」と判断されれば、例え「差押通知書」が届いてしまったとしても、給料や口座の差し押さえを免れることができる可能性はあります。
また、払いたくても払えないという事情がある納税者に対しては、「減免」「分納」「猶予」といった“納税の緩和措置”が図られています。
とにかく相談することが大切です。
「分納」「猶予」「減免」で心と家計の負担を軽くする!
住民税の「分納」「猶予」「減免」について詳しく説明をしておきましょう。
それぞれの違いは以下のとおりです。
現在、あなたがどのような状況にいるかによっても、対応してもらえる措置が違ってきます。
ですので、相談の際には事前に必要となる書類などがあるかどうかの確認もしておきましょう。
「何となく電話では聞きづらい…」
躊躇する方もいるかもしれませんが、こうした事前の準備をしっかりしておけば、それだけ早く手続きを済ませることができます。
減免
住民税の金額そのものを減らしてもらう措置です。
以下のような事情があれば減免を受けられる対象となります。
ただし、事情により減免割合は決められていて、場合によっては全額を免除してもらえるケースもあります。
- 災害により住宅や家財が失われた場合
- 生活保護を受けている場合
- 生活保護に準ずる場合
- 前年の所得が一定額以下で、1カ月以上失職等により所得がない場合 など
なお、4つ目の「失職」については、自己都合や期間満了により退職した場合などは該当しません。
あくまでも会社都合のリストラや倒産といった理由により職を失った場合が対象です。
また、原則として減免を受けるのは、住民税の納付期限までに減免申請を行わなければなりません。
納期を過ぎてしまったり督促状が届いたりしてからでは対象外となってしまいます。
当面払えないと思うのであれば、来年度の住民票は納期限までに手続きを済ませるのを忘れないようにしてくださいね。
分納
滞納している住民税を分割で支払う方法です。
と言っても、原則は最低でも月々2万円位の設定になるケースがほとんどです。
いくら収入が激減した、預貯金が全然ないからといって「毎月千円でもOK!」というわけにはいきません。
そのことも含め「ダメだろう」と自分で勝手に判断せず、まずは相談してみましょう。
また、分納のための額を決める際には、「いくら位なら必ず払えますか?」と聞かれます。
このとき、少し低い金額から打診するようにしてみるのもひとつの手です。
原則はあくまでも滞納額の12回払いで、30万円であれば1カ月2万5千円になります。
なので、2万5千円が厳しければ、最初は「5千円ならば必ず支払えます」というように、低い金額で答えるようにしてください。
ただし、金額を決めて返済がスタートした場合、払えない月は必ず担当者に連絡を入れてください。
“滞納の滞納”となれば、分納さえできなくなってしまう可能性は大きいので気を付けましょう。
猶予
病気やケガ、失業などで収入が無い、減少したといった“やむを得ない事情”により支払えない場合のみ、1年を限度として支払期限を延長してくれる措置です。
事情によってはさらに1年延長してもらえる可能もあります。
“やむを得ない”と判断される事情については、納税者本人や生計を一緒にする親族が病気やケガ、災害に遭遇するなど、「一時に支払えない状況」になった場合です。
猶予には、2種類あります。
- 徴収の猶予
- 換価の猶予
措置を受けられれば猶予期間中は、延滞金の一部または全額が免除されます。
いずれも、猶予期間は原則1年以内です。
徴収の猶予
- 病気やケガ、失業、災害などで一時に納付できない場合
- 納期限までに申請をする
換価の猶予
- 払う気はあるが、一時に住民税を払うことで事業や生計を維持していくのが難しくなる可能性がある場合
- 納期限から6カ月以内に申請する
まとめ 大切なのは迅速に対応し「誠意」を見せること!
住民税の滞納についての不安や疑問は解決できましたか?
よく勘違いされやすいのは、「猶予」と「分納」に延滞金がつくかどうかの違いです。
先ほども少し触れましたが、猶予は法律上の手続きで、地方税法第15条「徴収の猶予」に該当し、期間中は延滞税が掛かりません。
ところが、分納は法律上の手続きではなく「滞納」と同じ扱いになるため、ご紹介したように納期限を1カ月以上過ぎてしまうと年利9.1%の延滞税が掛かってしまうのです。
大切なのは「払う意思がある」ということを伝えること。
そして、その誠意の表し方として、督促状が届いたら迅速に対応すること。
専門家の間では、今後はこうした滞納者への対応がますます厳しくなるだろうと予想されています。
くれぐれも「とぼけるだけとぼけておけ」「もう少し様子を見てから」といったいい加減な対応は命取りになりかねませんのでご注意ください。
安心して借りたい方へ スピーディーな審査が評判のカードローン「バンクイック」。 業界トップクラスの低金利なので、返済も安心です。 ネット申し込みなら24時間受け付けOK。返済は月々1,000円から可能ですよ。 最高800万円までの借入が可能で、三菱UFJ銀行か提携コンビニのATMを利用すれば、ATM利用手数料0円でご利用可能です。
三菱UFJ銀行カードローン