自爆営業を強要された場合、どのようにそれを回避すべきかいろいろな手段を紹介していきます。
「違法性があるとはわかっていても生活もあるし、簡単には断れない」という方もいるかもしれません。
また、「一時的なものなら・・・」と受け入れてしまった方もいるでしょう。
今後、行うべき対策を紹介します。
コンビニ従業員がクリスマスケーキや恵方巻きなどを無理矢理買わされたというニュースをご存知の方も多いでしょう。
違法な行為にもかかわらず、現在でも横行している自爆営業に、もしあなたも巻き込まれてしまったら…。
自爆営業への対処方法を詳しくお伝えします。
そもそも、自爆営業ってなぜ起こる?
自爆営業を社員に促すのは、自社製品の目標売上額があまりにも高い場合に起こりやすいです。
また、賞味期限、鮮度、旬などの兼ね合いから短期間で売り上げを伸ばしたいというときにも自爆営業が行われやすいと言われています。
わかりやすいものでは、クリスマスケーキ。
大量に残ってしまっても破棄するだけなので、全く利益に繋がりません。
そのため食品関連の会社では、「1社員につき、5個以上の購入を促す」というケースも過去にあったようです。
例え社割で買うことができたとしても、毎回強要されていては負担になってしまいますね。
従業員の意思で購入するならいざ知らず、会社側から強制的に買わせるような行動は間違いなく違法です。
「余っちゃうとまずいから買ってくれない?」などと上司が言って、それについつい乗ってしまう社員もいるようです。
しかし、自社商品の購入はエスカレートしてしまう可能性もあるのでその段階で断るのが無難です。
自爆営業を防ぐ対策
自爆営業を防ぐ方法はあるのでしょうか。
また、自爆営業を強制されてしまった場合どのように対処すれば良いのでしょうか。
- 自爆営業を行っている大元を調べる
- 同僚に相談する
- 第三者を経由して強要を止めてもらう
- 公共機関に相談する
- 退職する
- 訴える事も可能
自爆営業を行っている大元を調べる
まずは自爆営業がどのように起こっているのか調べてみましょう。
例えば、
- 所属している支店のみが行っているのか
- 本店を含む全店舗にそういった強要が蔓延しているのか
所属している支店のみでしたら本社や人事部の方に問い合わせて、「このような状況(自爆営業)が起こっている」と相談することが可能です。
会社の意図していないところで勝手に上司が売上設定し、自爆営業を強要しているなら上司に制裁が下されるでしょう。
自社のイメージを損なうようなことを行っていれば懲戒免職、少なくとも異動などの措置が下されるはずです。
まずは自分が所属している支店のみ自爆営業が行われているのか調べてみてください。
できれば他店に話せる仲間がいれば、「こんなこと(自爆営業)は起こっていないか?」と相談してみるのが良いでしょう。
検証した結果、これが会社ぐるみになっていると厄介。
人事課に問い合わせてもしっかりとした対応をしてくれないこともあるので、そうなると弁護士や労働基準監督署などへの相談が必要になってきます。
同僚に相談する
同僚も同じような自爆営業を強要されたか確認してみましょう。
自分1人だけでなく他の人も強要されている事実があれば、裏づけを取って実証することが可能です。
領収書や請求書などがあれば必ず取っておきましょう。
そして、同僚と共に相談し、現状打破するための対策を考えます。
その会社に引き続き、勤めたいなら自爆営業をやらなくても売り上げにつながるような対策を検討することです。
例えば、宣伝やPR方法、価格設定の見直しなど抜本的な改革を行って、少しでも売り上げが伸びるような対策を提案することです。
それで少しでも結果に結びつけば自爆営業がなくなる可能性も出てきます。
第三者を経由して強要を止めてもらう
自分から上司に「自爆営業を強要するのはやめてください」とはなかなか言えないでしょう。
その場合は上司と比較的対等な立場で話せる人に相談してみましょう。
マネージャー、人事、総務、経理の人、上司と年齢が近い同僚など。
そういった人に、「給料から自社製品を購入するのにお金を使っていたら生活ができなくなる。このままでは会社を辞めるしかなくなる。何とかして欲しい。」といった切実な悩みを相談してみましょう。
すると、第三者を経由してその自爆営業を促している上司に連絡が行く可能性があります。
匿名で伝えてもらえば、誰がそういった悩みを抱えているか上司には伝わりませんので、自分が不利益を被ることはないでしょう。
ただし、第三者を経由して上司に伝えてもらう場合、自分と同じような同僚がいるか確認してから相談しましょう。
そうでないと、あなたが人事部などに訴えたということが上司にわかってしまいます。
公共機関に相談する
会社側に説明を求めたり、相談してもらちがあかないという場合は会社以外の機関を使って相談しましょう。
まず最初にお勧めしたいのは、労働基準監督署。
労働基準監督署は厚生労働省の地方支分局です。
厚生労働省に変わって労働者災害補償保険法、最低賃金法、賃金等に関する事務を司っています。
そして、労働基準法に関する相談も受け付けています。
- 不当解雇になった
- 賃金の未払いが発生した
- 労働基準法に違反する労働時間を強要されている
- 労働基準法に違反する自爆営業があった
こういったことが労働基準監督署で相談できます。
労働基準監督署は、労働者が日常的に法律に基づいて仕事ができているかという監査機関のようなものなので、あなた側の立場になって相談にのってくれるはずです。
そして相談した結果、明らかに会社側に非があると判断された場合、労働基準監督署の方から企業側に連絡してくれることがあります。
ただ、必ずしもすぐに動いてくれるわけではなく、裏づけが取れないと会社側に確認してくれないこともあります。
退職する
四面楚歌のような状況になってしまうぐらいなら、退職して新たな仕事場を選んだ方が良いです。
会社ぐるみで社員を追いつめるような社風だと、なかなか1人の力で改善するのは難しいですからね。
また、そういった会社は今後も複数回自爆営業を促す可能性が高いです。
負担を感じるぐらいなら、早く退職して気持ちよく働ける仕事場を探しましょう。
ただ、それだけでは腹の虫がさまらないという人は、可能であれば自爆営業を促されたときの様子(録音等しておく)や領収書を保管しておきましょう。
将来的に労働基準法に違反していることを訴える時に役立つはずです。
そしてその経験を踏まえた上で、どういった業種だと自爆営業が起こりやすいのか、どのぐらいの会社規模だと自爆営業が起こりやすいのか分析することも大切です。
どうしてもノルマ設定をしている会社ではこのようなことが起こりやすいので、新たな就職先では極力、個人のノルマは無い職場にしましょう。
訴える事も可能
労働基準法に違反があると判断された場合、労働基準監督署に相談した後に行政指導などの権限を持つ担当部署に取り次いでくれることがあります。
第三者が間に入り、解決方法を探ります。
具体的には下記のような方法。
簡易裁判所にて、
- 民事調停
- 少額訴訟
- 民事訴訟
地方裁判所にて、
- 労働審判
- 民事訴訟
相手が話し合いに応じてくれない場合は、こういった解決案も出てきます。
ただ、こういった裁判は手続きに時間もかかりますので最初は行政機関や民間団体などに相談するのがお勧めです。
結論 自爆営業を頼まれたら、まずは身近なところから相談
自爆営業を促されているときは、下記のようなステップで相談していくのがお勧めです。
- 実態調査
- 同僚に相談
- 人事や総務、経理などに相談
- 労働基準監督署に相談(長期化した対応が嫌なら退職も検討)
- 法的措置も検討
上記の流れに沿って解決していきましょう。
近年は自爆営業を促すケースは減ってきていますが、それでもちょっとした購入を促すケースはあります。
ちょっとした上司のお薦めなども将来的な自爆営業の危険性をはらんでいますので注意しましょう。