- 「どうしよう…子供の幼稚園代が払えない…」
- 「強制的に退園させられたどうしよう…」
あなたもこんな風に、大切なお子さんが通う幼稚園のお金が払えず悩んでいませんか?
でも、安心してください。
ここでご紹介する方法を利用すれば、「強制退園」の恐怖から逃れられる可能性があります。
まずは「払えないとどうなるのか?」、お伝えします。
幼稚園代を期限までに払えなければ催促の連絡が入り、それでも払えない場合は最悪「強制退園」となり園に通えないばかりか、最終的には「差し押さえ」になる可能性もあります。
そうならないためにあなたがやるべきことは、「払えない」と気づいた段階ですぐに園や自治体へ相談すること。
解決法としては、
- 一括で補助金を受け取れる「奨励費」
- 保育料の5~10割免除が受けられる「減免」
- 短期で返済ができるなら「カードローン」
会社勤めの方は、給料差し押さえされると職場に連絡が行きます。
解雇されることはないとしても、居心地は悪くなるはず。
いずれにせよ早い段階で手を打つことと、奨学費の場合、申込時期が限られているのでタイミングも大切です。
詳しくは本文を参考にしてください。
私立幼稚園は強制退園も。卒園まで待ってくれるところは少数
幼稚園代を滞納したときの取扱いは、私立か公立か、また住んでいる地域によっても違ってきます。
一般的には下記のような流れで手続きが進んでいきます。
- 滞納
- 督促
- 強制退園
「滞納から何カ月目に催促の手紙や電話があるのか」「何カ月払わないと強制退園になるのか」は園によって異なります。
園によっては滞納分を卒園まで待ってくれることも
*Aさんの場合*
ご主人がリストラされて幼稚園の月謝を滞納したAさん。
翌月に幼稚園の事務から「支払いをお願いします」と催促の電話をもらいました。
しかし、その後も払えずにいると3カ月目に担当者が家を訪ねてきました。
「翌月までに全額(3カ月分)を払い、今後は滞納しない」という約束を交わしたものの、結局、約束の日になっても支払うことはできず、「このままお預かりはできませんので」と告げられ強制退園となりました。
*Bさんの場合*
パート先を突然クビになって幼稚園の月謝を滞納したBさん。
Bさんのパート先もやっと決まったものの、すぐには払えそうもありません。
そこで思い切って理事長さんへ相談したところ、「ご家庭の事情はお子さんには関係ないので」ということで誓約書を交わし、遅れた分の月謝は1年先の卒園まで待ってくれるということになりました。
入園の際に記載した契約書を確認すること
私立幼稚園の場合、卒園まで待ってくれる園は珍しいと考えておいたほうがいいでしょう。
ただ、具体的にどういった手続きになるのか、救済策があるのかどうかなどについては相談してみなければ分かりません。
まずは「払えない」と分かった段階で相談してみましょう。ポイントは、以下のようなことです。
- 教育機関なので1カ月遅れたぐらいで「即退園!」となるところはほぼない
- 1カ月ぐらいの滞納であれば事務の方に「○○日には払いますので」と伝えればOK!
- 滞納期間が長くなるようなら園長なり理事長に直接相談してみる
入園の際に記載した契約書には、滞納した場合にどうなるかについて記載されていますので、よくチェックしておきましょう。
公立幼稚園は最終的に差し押さえにあう
区立・私立など公立幼稚園の場合、保育料の金額や滞納した場合の対応について条例でどのような処分になるか決まっています。
自治体によって詳細は異なりますが、基本は私立幼稚園と同じく、下記のような流れになります。
- 滞納
- 督促
- 強制退園
払わなければ督促がありますし、それでも払わなければ「登園の停止」または「退園」を命じられることになります。
ただし公立の場合、「市区町村長がやむを得ないと認める場合」は、登園の停止や退園を命じることはしないという制度になっています。
そこでまずは、園長か自治体の「保育課」や「子育て支援課」などに、月謝の支払いが厳しい状況を相談してみましょう。
なお、自治体によっては滞納期間に延滞金が発生するところもあります。
退園後も滞納が続けば最終的には「差押」
では、強制退園させられたら滞納していた分は払わなくてもいいのでしょうか?
実際にはそういったことではなく、退園してもその後に滞納分を支払う必要があります。幼稚園への負債が消滅するわけではないためです。
滞納している幼稚園代は税金と同様の取り扱いになり、自治体に「借金」をしているのと似たような状態です。
払わないでいると、最終的には「差し押さえ」という処分を受けることになるので注意が必要です。
保護者が会社員であれば、会社に連絡が行き給料が差し押さえられます。
もちろん会社は差し押さえを理由に社員をクビにはできませんが、「会社にどう見られるか?」を考えれば「差押」になる前に手を打つ必要があります。
年間約30万円の補助を一括で受け取ることも可能(私立の場合)
お子さんが私立の幼稚園に通っているのであれば、「私立幼稚園保育料補助(就園奨励費補助金)」を利用する方法があります。
ただし、申し込みには期限があるので「今、払うお金がない」という方にはNG。
追加申し込みが年に1~2回ありますので募集時期を頭に入れておき、次回に申し込みをしましょう。
例:川崎市の交付基準と交付金額、申込先
- 世帯の所得状況
- 在園児数
- 小学生以上の兄弟の有無
- 交付金額:基準に応じ年間48,000円~308,000円
- 申込:毎年6月中旬~下旬頃
- 交付:11月中旬頃に年額を一括交付
基本の申し込みは年1回+追加申込ができる自治体も
年間約30万円の補助があれば、家計もかなり助かりますよね。
川崎市の場合、追加申込として12月以降に手続きを行うと3月以降にも交付されます。
ただし、自治体によっては申し込みが年に1回しかないところもあります。
通われている幼稚園か住民票のある地域の「保育課」や「保育支援課」などへ問い合わせてみましょう。
申請をすれば5割減額~全額免除の可能性も(公立の場合)
ほとんどの自治体には、幼稚園の月謝を「減免」する制度があります。
経済的な理由で月謝を払うのが難しい場合、以下のような減額・免除を受けることができます。
※詳細については自治体により異なります。
幼稚園の月謝減免を利用できる条件
- 住民税の非課税や免除、生活保護を受ける場合
- 災害や盗難などにあった場合
- 病気や事故で多額の医療費がかかった場合
- 扶養家族が増えた場合
- 主に収入を稼いでいる人が失業した場合 など
これらの条件は各自治体によっても異なりますが、該当すれば保育料の5割が減額されたり、事情によっては全額免除になったりする可能性もあります。
必要に応じ減免期間を延長することも可能
減免制度を利用するには、保育料減額申請書と必要書類を一緒に市町村役場へ提出します。
- 役所の保育課で受け取る
- インターネットからダウンロード
申請すれば必ず減免制度を利用できるわけではありません。
審査に通れば、翌月から最長で年度末の3月31日分まで幼稚園代が減免されます。
翌年度も引き続き減免の必要性がある場合は、再申請することも可能です。
低金利のカードローンも増えているが最後の砦にしておくこと
- 「奨励費」の申込日まで待っていられない
- 「減免」を申請したけどダメだった
- 減免の条件に該当していない
こういった方の場合、カードローンを利用して払うという方法もあります。
ただしカードローンを利用すると金利もかかり、生活を圧迫する可能性があるため、「最後の砦」と考えるようにしてください。
最近は利便性の高いカードローンも増えていて、銀行や消費者金融でも低金利で借りることができるようにも思えますが、100万円以下の場合、ほとんどは15~18%の金利が設定されています。
万一滞納すれば、延滞金として20%近い利息がプラスされてしまいます。
もちろん一時的に保育料が払えないから「立替」として借りるのであれば悪くはないでしょう。
カード会社によっては、「30日間無利息」というサービスもあります。
短期間で返す目途があるのなら滞納した保育料を払う方法として考えてもいいかもしれません。
まとめ 払えないとわかった段階で相談する
大切なお子さんを預けている幼稚園なので、とにかく「強制退園」という事態だけは避けたいですよね。
まして滞納し続けて「給与差押」となり、会社に連絡が行ったのでは、直接解雇されることはなくとも、職場にいづらくなるのは確実です。
とにかく解決の糸口は、「払えない」と分かった段階で早めに「相談」しましょう。
今後の支払いについてしっかりと計画を立て、今年度は私立幼稚園の奨励費に間に合わなかったのであれば来年度はもらえるよう申請。
公立幼稚園で条件に該当するのであれば「減免」の申請を急いで行うようにしましょう。
くれぐれも「どうにかなるさ」といい加減に考えたり、「どうしよう…」と落ち込むだけになってしまったり、闇金などに手を出したりしないようにしてくださいね。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |