農業従事者の人は、JAバンクのJAネットローンの利用経験者が多いのではないでしょうか。
何かとお世話になっているJAですから、借りたお金はきちんと返済したいところ。
でも、想定外の出費などでどうしても返済できないようなこともあります。
そんなとき、JAバンクからはどんな催促や督促を受けるのでしょう。
ここではJAバンクのJAネットローンの返済が出来なくなったときの流れと、対処方法について紹介します。
JAバンクってどんな金融機関?
それではまず、JAバンクについて基本的な情報を把握しておきましょう。
返済できなくなったときの対処方法も、JAバンクについて知っているかどうかで大きく変わってきます。
最初にJAバンクに関する基本的なことだけでも頭に入れておきましょう。
JAバンクのおおきな特徴
- JAバンクは銀行ではなくJAと信連、農林中金による信用事業
- JAバンクの対象者は農業従事者を基本とし、会社員でも准会員として利用可
- JAバンクのローン金利は各JAによって変わる
- 保証会社は農業基金協会もしくは三菱UFJニコス、オリコなど
- ローン回収は債権回収会社がおこなうこともある
JAってどんな組織?町によって金利がまったく違うこともある!
JA(農業協同組合)というのは、実は非常に複雑な組織。
JAバンクはJAの信用事業を行う機関で、基本的に利用できるのは農業従事者のみとなります。
会社員でも准会員として利用はできますが、あえてJAバンクから借りるケースはほとんどありません。
また地域ごとの各JAがそれぞれ独立してJAネットローンの販売を行っており、それぞれ金利が異なります。
利用できるローンは、現在以下の6種類となっています。
- カードローン
- フリーローン
- マイカーローン
- リフォームローン
- 教育ローン(一般型・極度型)
同じ名前の商品であっても、その町のJAによって細かい規約が異なっている場合があります。
またネットなどの口コミでも、自分の利用しているJAが該当していないケースもあります。
保証会社は各農業基金協会で、債権の回収はJAバンクが行うこともあれば、債権回収会社が行うこともあります。
お金を借りるときに、何かあったときの回収をどこが行うのかを確認しておきましょう。
知らない会社からの連絡として催促を無視していると、督促状が送付されても気がつけない場合があります。
最終的に簡易裁判所から支払督促状が届いてはじめて気付いた!という事態にならないよう気をつけてください。
JAバンク(JAネットローン)の催促と督促の流れ
それではJAバンクで借りたお金を返済期日までに、返済しなかった場合の流れを紹介します。
- 電話による返済の催促
- 督促状と簡易裁判所の支払督促状
電話による返済の催促
返済金が期日に振り込まれない場合は、JAバンクもしくは債権回収会社から電話で連絡が入ります。
そのJAによって保証会社や債権回収会社が異なるので、予め連絡があるものとして考えておいてください。
「支払期日を過ぎていますので支払いお願いします」と丁寧に催促され、返済期日と延滞利息を含めた返済金額が決まります。
返済可能であれば指示に従って返済してください。
催促の電話に出ない場合は、書面を郵送しての催促になります。
督促状と簡易裁判所の支払督促状
JAの催促を無視していると、JAもしくは債権回収会社から督促状が送られてきます。
それも無視し続けると、最終的に簡易裁判所から支払督促状が届くことになります。
支払督促状も無視すると、今度こそ法的措置による執行が行われます。
給与や車などの財産を差し押さえられることになり、仕事先にも差し押さえの事実が知られてしまいます。
借りているローンがマイカーローンの場合、滞納を続けていると車を引き上げられてしまいます。
滞納から2~3ヶ月経過すると、「期限の利益の喪失」により、残額を一括で返済しなければなりません。
また車両は中古車販売店で査定され、売却されることになります。
JAバンク(JAネットローン)の返済ができなくなったらどうなる?
JAバンクで借りたお金の返済が厳しくなってきたら、まずはJAバンクに相談してください。
月々の返済計画の見直しなどをお願いしましょう。
返済できない理由と、今後の返済できる見込みをきちんと説明できれば、対応してくれる可能性はあります。
ただし、催促が来る前、支払期限が来る前までに相談するようにしてください。
黙って延滞すると、それだけ信頼を失うことになります。
「もうこの人は返済する気がない」と判断されれば、法的措置へ移行するのも早くなるでしょう。
返済が難しいと分かった段階、早いうちから相談することが重要です。
返済能力が完全になくなってしまった時は、債務整理の手続きへ進む
また1回返済できなくなったのではなく、完全に1円も返せそうにないとわかったときは、債務整理をするという選択肢になります。
例えば、怪我や病気で働けなくなり、収入がなくなると返済どころか、生活していくことさえ困難になります。
農業に従事している方が多いJAローン。当然ですが、体が動かないと収入源を作ることができません。
将来的なことも考えると、「自己破産」という手続きで借金をゼロにし、一からやり直すことをオススメします。
ただし、自分で判断するのではなく弁護士に相談することから始めてください。
自己破産以外にも、民事再生や特定調停、任意整理などといった方法があります。
農業以外にも収入源がある場合、自己破産よりも良い選択肢が望める場合もあるのです。
こういった選択の判断は、専門家である弁護士に任せてしまったほうが良いでしょう。
この相談もできれば支払期限までに行い、遅くとも督促状が出るまでに弁護士に相談するようにしてください。
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