- 「保育園のお金が払えない…」
- 「滞納すると給料が差し押さえられるって本当?」
こんな風に、保育料の滞納で悩んでいませんか?
そんなあなたのために、「保育料を払わないとどうなるのか?」について解説し、「滞納した保育料を払う方法」をご紹介します。
大切なお子さんのためにも、どうかあきらめたり投げやりになったりせず、あなたに合った解決方法を見つけてください。
保育料を期限までに払えなければ「催促」の連絡が入り、それでも払わないと「督促状」が届き、最終的には「差し押さえ」になります。
まずは、「払えない」と気づいた段階ですぐに園や自治体へ相談すること。
解決法としては、
- 「減免制度」で保育料の5~10割免除してもらう
- 保険を解約して「返戻金」を受け取るか「貸付制度」を利用
- ブランド品などを売却してお金を作る
- 短期で返済ができるなら「カードローン」でお金を借りる
保育園に通う子供たちは児童福祉法で守られていますので、滞納したからと園に通えなくなることはありません。
その分、幼稚園に比べて督促から差し押さえまでの期間が短いと言われています。
詳しくは本文を参考にしてください。
「催告」を無視し続けると「差し押さえ」になる
結論から先に言えば、保育料を払わなければ、最終的に給料や車など、滞納している保育料に充当できるものを差し押さえられます。
よくある流れはこんな感じです。
1 | 滞納 | |
2 | 督促 | 督促状は保育園経由がで渡されるのが原則 |
3 | 催告 | 催告は電話や手紙、自宅訪問など |
4 | 差し押さえ | 催告しても無視していると差し押さえになる |
参考サイト https://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/hoiku/002/p004512.html
催告は警告であり「最終勧告」だと思うべし!
「催告」は「督促」よりも意味合いが重くなります。
督促状は「○○円を○○日までに払ってください」という請求ですが、「催告書」は「払わなければしかるべき処置をとるぞ」といった警告です。
「最終勧告」と受け止めてください。
できれば督促状の段階で、遅くとも催告されたら払うようにして、払えないことが分かった段階ですぐに「保育課」や「子ども支援課」などに相談しましょう。
詳細については各自治体により異なりますので、詳しく知りたい方は役所のホームページで調べるか直接問い合わせをしてみてください。
給料からいきなり10万円も差し引かれた・・・
Aさんの場合
仕事のミスからお給料が減らされ保育料が払えなくなったAさん。
2人のお子さんを預けていたので保育料は月額4万円かかっていました。
役所から何度か督促状が届きましたが、それでも支払いが厳しく払わずにいました。
滞納から半年後、園長から催促され月々1万円を払う約束をしました。
しかし払えずにいると、職場にいきなり「給料の差し押さえ」の連絡が行き、その後、給料の一部から10万円ずつ、1年滞納した48万円分がなくなるまで引かれました。
差し押さえられるのは預貯金や給料、生命保険など
ちなみに、どんなものが差し押さえられるのでしょうか。
- 預貯金・・・預貯金が引き出せなくなり、没収される。
- 給料・・・最低限生活に必要な額を除いて差し引かれる。
- 生命保険・・・強制的に解約され「解約返戻金」が没収される。
その他、滞納していた額によっては車や家などが差し押さえられることもあります。
保育料を滞納しても児童福祉法で守られている
「保育料を払わないと強制退園させられるって聞いたけど…?」
こんな声も最近よく聞くようになりました。
児童福祉法第24条では、保育園では「やむを得ない理由」がある場合に児童を預かるという「措置」をとっている前提になっています。
つまり、幼稚園は「教育」であるのに対し保育園は「福祉」です。
なので、日中子供を育てることが困難な親に代わって保育園が預かっているため、たとえ保育料を滞納していたとして行政が強制的に退園させることはできないのです。
減免・減額制度の利用で半額や全額免除に
各自治体によって割合や条件は異なりますが、「減免」「減額」といった制度を利用することも可能です。
審査はありますが、通ればその月から保育料の半額や全額免除が適用されます。
ただし、滞納している分が無くなるわけではありません。
これ以上滞納額を増やさないためにも条件に該当するようであれば役所の「保育課」や「子ども支援課」などに申請しましょう。
参考:http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000370335.html
利用できる条件
- 住民税の非課税や免除、生活保護を受ける場合
- 災害や盗難などにあった場合
- 病気や事故で多額の医療費がかかった場合
- 扶養家族が増えた場合
- 主に収入を稼いでいる人が失業した場合
- 子供の人数が多く経済的に苦しい など
手持ちのブランド品や金、プラチナのアクセサリーを売る
減免や減額の申請はするとして、「とりあえず滞納している分を払うお金がない!」という場合は、手持ちのブランド品や金、プラチナのアクセサリーなどを売ってお金を作る方法もあります。
保育料の滞納は税金の滞納と同じ扱いになります。
「児童福祉法で守られているんだから、払わなくても退園させられることはない」
確かにそのとおりです。
ですが、今は保育園に入りたくても入れない人のほうが多い時代です。
なぜなら保育園の数が足りず、保育士の数が足りず、給与も上がらず、職場環境も改善されないから。
給与が上がらない理由は、もしかしたらこうした未払いがあるためかもしれません。
将来自分の子どもが孫を生み、「保育園に入れない」と泣いた時、後悔するのはあなたです。
もしブランド品や高価なアクセサリーがあるのであれば、それを換金するのも滞納している保育料を払うのに有効な手段です。
使っていない金券やチケット、新しい型に買い替えて使わなくなってしまったスマホやタブレット、ゲーム機なども買い取ってくれるお店が多いので一度査定をしてもらってもいいでしょう。
試しに下記サイトで大まかな値段が掲載されているので参考にしてみてください。
≪公式サイト≫買取商品一覧|大黒屋宅配買取センター
https://kaitori.e-daikoku.com/products.html
保険を解約した返戻金か貸付制度を利用して支払う
先にもお伝えしましたが、どうせ払えなくて差し押さえになってしまった場合、手元にある生命保険も取り上げられ、解約して戻ってきたお金(解約返戻金)は返済に充てられてしまいます。
であれば、自分から先に解約をして返戻金で支払ってしまうという方法もあります。
基本、「終身保険」や「養老保険」などは返戻金がついているものが多いのですが、「定期保険」や「収入保障保険」などはついていないか、戻ったとしても少額になります。
詳しくは保険会社に直接問い合わせてみてください。
また、保険の種類によっては「契約者貸付」という制度があります。
保険会社によって異なりますが、解約返戻金の70~90%を借りることもできますので、こちらを利用するのもいいでしょう。
契約者貸付を利用した場合、返済しないと最終的に保険が失効するのでご注意下さい。
短期間で返せる目途があるならカードローンを利用する方法も
キャッシングは金利が高いものの、最近は金利の低いカードローンが人気です。
金利は借りる金額によって違ってきますが
- 減免制度を利用できない
- 解約する生命保険がない
- お金に換えるブランド品や宝石などがない
- 親や兄弟に頼めない
という場合、カードローンから滞納分を借りて支払う方法もあります。
たとえば某大手銀行のカードローンの場合です。
利用限度額 | 借入利率(年) |
10万円~100万円 | 年 13.6% ~ 年 14.6% |
100万円~200万円 | 年 10.6% ~ 年 13.6% |
200万円~300万円 | 年 7.6% ~ 年 10.6% |
※上記金利は、2017年6月現在のものです。実際の金利は、各金融機関公式ページでご確認ください
とは言え、保育料の滞納であれば多くても100万円以下でしょうから、金利が低いといっても12.6~14.6%もかかります。
臨時出費で一時的に借りたいというような場合ならまだしも、万一返済が遅れれば20%前後の遅延金がプラスされますので、カードローンでの借り入れは最後の砦にしておきましょう。
万一、「退園」を迫られたら「損害賠償」を求めよう!
最近はどこの市区町村でも滞納者が増え対応が年々厳しくなっています。
自治体によっては、滞納者に払えなかった場合は「自主的に退園する」「強制退園に従う」といった誓約書を書かせるところもあるようです。
しかし、払わないことで差し押さえはできますが、「強制退園」や「登園の停止」といった処分を科すことはできません。
もしもそのような扱いをされた場合は、保護者が自治体に対して処分の無効を主張したり、「損害賠償」を請求したりすることもできますので、万一あなたが当事者になった場合は、速やかに抗議をしましょう。
もちろん、強制退園を迫られたからと滞納している保育料を払わなくてもいい、というわけではありません。
滞納は借金と同じ、支払うようにしましょう。
まとめ 行政も厳しくなっています、早めの解決を
解決方法は見つかったでしょうか。
以前は、行政側も滞納者に対しての強制退園や差押などの処分は「最後の最後」としてある程度気長に待ってくれていました。
ところが最近では保育料の滞納者が後を絶たず、仕方なく厳しい対応をせざるを得ないというのが現状です。
千葉市では、保育料の累積滞納額が約2億円になっています。入るはずの2億円が入ってこないのです。
この不足分は誰が払うのか考えたことはありますか?
その穴埋めは「税金」で行うしかないのです。
となれば、どこにしわ寄せがいくと思いますか?
もちろん、病気やケガ、失業など「やむを得ない事情」もあるでしょうから、まずは「払う意思はある」という誠意を示すことです。
そのためにも、払えない場合はすぐに園長や役所に相談してください。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |