賃貸マンションの更新料、ちゃんと支払っていますか?
関東圏を中心に、2年以上住んでいると請求されることがある「更新料」。
一般的には賃料の1ヶ月分を上乗せして支払うことになり、時期によっては痛い出費となりますよね。
しかし地域によってはこの更新料を徴収しないところもあります。
関西圏では京都を除いて、更新料という項目がない物件も多く存在します。
更新料は何のためのお金か理解しにくく、できれば支払いたくないと考えている方も多いでしょう。
実は更新料支払いについては最高裁にまでもつれこむ裁判にもなった経緯もあります
更新料を支払わなければいけない賃貸マンションで、支払いを怠った場合どうなるのでしょうか。
トラブルを避けるためには知っておきたい知識の1つ、よく確認しておきましょう。
マンション更新料は関東圏の賃貸物件を中心に残る慣習のひとつでもあります。
2年毎の契約更新時に家賃1ヶ月~1.5ヶ月分ほどを請求されるので、これを期に引っ越しを考える方も少なくありません。
しかし更新料は「契約更新のための費用」なので、支払わなければ退去を迫られることになります。
支払が苦しいとき、大家さんや管理会社と交渉することもできますが、取り合ってくれない場合はキャッシング等を利用する方法があります。
詳細は本文を確認してください。
マンション更新料を払わないと追い出される!?「支払わない」は難しい?
そもそもマンション更新料とは、いったいどういった目的で支払うものなのでしょうか。
更新料(こうしんりょう)は、期間の定めのある継続的契約において、期間満了時に更新契約を締結する際に、契約当事者の一方から契約の相手方に対して支払われる一時金のことである。
一例を示します。
項目 | |
更新料 | 家賃1ヶ月分(2年契約時) |
更新手数料 | 更新書類作成などに必要。 数千円~3万円程度 |
賃貸借では2年契約が多いですが、2年が経過しても引き続きその物件に住み続ける場合に支払うのが更新料です。
更新料以外にも、「更新手数料」「更新事務手数料」などといった費用がかかることがあります。
一般的に賃料1ヶ月分が更新料にあたるので、更新月には固定費がいつもの倍に膨れ上がってしまいます。
また地域によっては「更新料がない」場所もあり、全国的な慣習ではないことでも知られます。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B4%E6%96%B0%E6%96%99
更新料の特約は有効?無効?最高裁では条件付きで有効と判断された
法律において「更新料は必ず支払わなければならない」とい決まっているわけではなく、支払いは必ずしも義務ではありません。
しかし、更新料の決まりがある地域では、契約時に更新料特約という項目を作っています。
契約時にはそれに同意したうえで物件を借りることになるので、「払いたくない!」という理由で避けることはできないのです。
ちなみに平成23年の最高裁では、「1年更新では賃料2ヶ月分」「2年更新では賃料1ヶ月分」程度であれば、更新料として妥当である、という判決がなされています。
それを超える場合には、更新料が過大であるため、更新料特約が一部無効になる可能性もあります。
その場合、契約通りの全額の更新料支払いは不要となります。
更新料関連のトラブルが頻発…契約時にはよく確認しましょう
そのため更新料のある地域の物件では、更新月に差し掛かると一気に退去したい旨の連絡が来ることもあり、トラブルに発展しやすい要因のひとつにもなっています。
ただ、古くからの慣習として更新料支払いが根付いている場合、なかなか避けられないもののようです。
契約時には更新料特約についてよく確認した上で交渉しましょう。
マンション更新料が負担になっている…相談すると対応してくれる可能性が高い
前述したように、「更新料を払いたくない」という理由で退去を選ぶ人は少なくありませんが、中には、ままならない事情を抱えている方もいます。
- 「いまの物件が気に入っていて、住み続けたいのに負担が厳しい…」
- 「小さな子どもや家族がいるから難しい…」
- 「引っ越しはできないけど、更新料も払えない…」
- 「仕事や体調の関係で、今月はちょっと払えそうにない…」
こういったケースの場合、どのような対処を取るべきなのでしょうか。
- 大家さんや管理会社と交渉して支払い負担を軽くする
- 友人や家族と協力して引っ越しする
- 家族からお金を借りて支払う…借用書を作って堅実に返そう
- キャッシングで更新料を借りる…足りない分だけを徹底しよう
大家さんや管理会社と交渉して支払い負担を軽くする
今の部屋に住み続けたい、という気持ちがある場合は、大家さん、またはマンションの管理会社にその旨を話してみましょう。
実際、更新時期が近づくと退去連絡だけでなく、「更新料の支払についての交渉」も増えていきます。
大家さんや不動産会社もその傾向は把握しているので、怖がることなく正直に伝えてみてください。
物件を貸している側も、できることなら住み続けてもらえるほうが空室が出ず、収益に繋げられます。
- 次回以降の更新料をなしにしてもらう
- 支払う更新料を半月程度にしてもらう
- 仕事や体調について理解してもらう
交渉の仕方は様々ですが、「この部屋に住み続けたい」という気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。
ちなみに更新料のない地域では契約が自動更新になっていて、賃料の交渉もなく、同じ物件に長く住み続けられる場合が多いです。
友人や家族と協力して引っ越しする
どうしても更新料が払えない場合には、やっぱり引っ越しを考えるしかありません。
この時注意しておきたいのは次の2つです。
- 更新料のない物件・マンションを探す
- 引っ越しの際はできるだけ費用をかけないようにする
実は関東、東京都内であっても、更新料が設定されていない物件があります。
一般の賃貸住宅をはじめ、東京都住宅供給公社、UR賃貸などにも更新料はありません。
不動産会社での物件選びの際に伝えておき、契約時にしっかりと契約内容を確認して、可能な限り負担を減らしましょう。
また引っ越しする際に運送会社を頼ってしまうと、更新料を払うよりお金がかかってしまいます。
友人や家族、レンタカーなどを活用して、引っ越し費用をできるだけ抑えるようにしましょう。
→引越しをしたいけどお金がない。引越し代を業者に払えない時の対処法
家族からお金を借りて支払う…借用書を作って堅実に返そう
更新料も払えず、引っ越しもできない…大家さんや管理会社との交渉もうまくいかなかった。
そんな場合は、どこかからお金を借りてでも更新料を支払うしかありません。
例えば家族や友人などから借り入れ、借用書を作成した上で返済すると、後のトラブルにも発展しにくいでしょう。
法律に香辛料についての規定がないとはいえ、更新料特約がある場合は支払いを避けることは困難です。
最悪の場合裁判沙汰になってしまうこともあるので、できるだけ早く解消しておきたいですね。
キャッシングで更新料を借りる…足りない分だけを徹底しよう
家族からお金は借りられない、でもこのままじゃ住むところがなくなる…。
そんな時の最終手段は「キャッシング」です。
もちろん絶対にキャッシングでなければいけないわけではありません。
しかし仕事や体調の関係で、新しい住まいが見つけられないまま退去の日を迎えてしまうことは避けなければいけません。
最近のキャッシングサービスはすぐにでも融資を受けられますが、それでも使いすぎは禁物。
本当に足りない分だけを借り入れるようにして、且つ大家さんとしっかり交渉を行ってください。
「更新料がない地域もあるのに、更新料が負担になって住み続けられないのは苦しい」など、ありのままを話してできるだけ減額や免除、支払時期の延長措置などをしてもらいましょう。
まとめ:更新料の有無は契約時に要確認!できるだけ早い段階で対処しよう
更新料のほとんどが2年更新、1ヶ月分の賃料を上乗せして支払わなければいけません。
契約したあとで「更新料があるなんて知らなかった!」では通用しないのが悲しいところです。
同意してしまっている以上は支払いが発生しますが、大家さんや管理会社と交渉することである程度譲歩してもらえる可能性も残っています。
まったく更新料が払えず、取り合ってもらえない場合は、早いうちに転居を考えましょう。
また新居を探す場合には「更新料なしの物件」にしぼって考えると、その後の負担を軽減できるかもしれません。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |