「息子が事件を起こして身柄を拘束されてしまったけど、保釈金が払えない…」
あなたもご家族のことでこんな風に心を痛めているのではないでしょうか。
保釈金を払わなければ、あなたのご家族が一時的に釈放されることはありません。
ご家族としては何とかお金を用意して拘置所から出してあげたいと思っていることでしょう。
保釈金は問題がなければ返ってくるお金ですので、ここでは一時的に立て替える方法についてご紹介します。
保釈金は一時的に身柄を自由にする代わりの「担保」といったところ。
払えなければ、あなたの大切なご家族が裁判の判決が出るまで身柄を拘束されたままです。
保釈金を払うお金がない場合の解決法としては、以下のような方法があります。
- 保釈協会から借りる
- 親や兄弟など身内から借りる
- カードローンで借りる
詳しくは本文を参考にしてください。
払わなければ身柄を拘束されたまま
「保釈金」とは、一時的に刑事裁判の被告人の身柄を自由にする代わり、裁判所に預けるお金のことです。
逮捕されたあと、裁判が行われるまで身柄を保釈されますが、その間自由になるかどうかは金銭で変わってきます。
いわば、その期間に逃亡したり、証拠を隠したり、焼却したりさせないための担保のようなもの。
では、その保釈金を払わなければどうなるのでしょうか?
刑事裁判の期間は2~3カ月ほどになります。
その間、保釈金が払えなければ判決が下されるまで身柄を拘束され、拘置所で過ごすことになります。
もちろん、誰でも保釈金を払えば一時的に自由になれるわけではありません。
お金を積んだからといって、殺人犯などが一時的にでも自由の身になってしまっては大変です。
そのため、保釈を認められるには一定の条件があります。
「死刑」や「無期懲役」はもちろんですが、1年以上の懲役や禁固刑に値するような人は保釈の対象外になります。
保釈が認められない人の具体例
- 懲役や禁固刑1年以上に値する罪を犯した
- 過去に(1)に値する罪を犯している
- 同じ罪を2回以上犯したことがある(常習性)
- 証拠を隠ぺいする可能性がある
- 住所や氏名が不明
- 被害者や証人に危害を加える可能性がある
あなたのご家族が保釈を認められたのだとすれば、何としてでもお金を預けて保釈できるようにしてあげたいですよね。
そこで、お金を用意できない場合の解決法についてお伝えします。
払えない場合の解決策
保釈金は裁判が終わるまでに担保として預けるお金です。
何事もなく無事に判決が出れば全額戻ってきます。
逆に、保釈中に証拠を隠蔽したり、途中で逃げようとしたりすれば保釈金は没収になります。
手元にお金は戻ってきません。
以下では、「戻ってくるお金」という前提でお話をしていきます。
保釈協会から借りる
保釈が認められても、お金を用意できない方はたくさんいます。
そういう方のため、「貧富の差による不平等をなくし、被告人の人権を守る」という目的で、「一般社団法人日本保釈支援協会(保釈協会)」から保釈金を一時的に立て替えてもらうことができます。
通常、申請は担当の弁護士さんが行ってくれます。
申請は起訴されてすぐにできますし、申請をすればほぼ翌日には立て替えの許可がおります。
- 利用できる人:本人以外の家族か担当弁護士
- 立替限度額:500万円
- 立替期間:2カ月(2カ月ごとに延長可能)
手数料は以下の通りになります。
立替金額 | 立替手数料(2カ月分)税別 |
50万円まで | 13,500円 |
100万円まで | 27,000円 |
150万円まで | 40,500円 |
200万円まで | 54,000円 |
250万円まで | 67,500円 |
300万円まで | 81,000円 |
なお、保釈金が没収されたときには申込人(保証人)が弁済しないといけないので、注意が必要です。
詳しくはこちらの協会のサイトでも確認できますし、担当の弁護士さんに相談してみてください。
親や兄弟など身内から借りる
保釈協会に立て替えてもらえない場合、親や兄弟に頭を下げて借りる方法もあります。
よく保釈金は戻ってこないと勘違いされている方も多いため、身内に頼むのはできないと思われているようです。
しかし、保釈されている本人に何もなければ戻ってきますので、身内で話し合い親や兄弟に立て替えてもらいましょう。
1人の人だけでは無理な場合は、皆で出し合うという方法でもよいのではないでしょうか。
カードローンで借りる
裁判が長引いてしまうと問題ではありますが、身内からも借りられなければカードローンで借りるという方法もあります。
保釈金の金額は150万円やそれ以上になることなどが多いので、全額の用意が難しい場合などにカードローンで保釈金の一部をまかなう方法なら現実的です。
たとえば自己資金100万円、金利18%のカードローンで50万円を2カ月借りたとして、単純計算で利息は15,000円。
判決が出れば戻ってきますので、実質あなたが負担するのは利息分だけです。
1日でも早く家に戻してあげたいというのであれば、カードローンも悪くはないでしょう。
まとめ 保釈金は返ってくるので、利息を払えるなら借りるべき
身内としては1日でも早く拘置所から出してあげたいと思うのが心理ですよね。
保釈金の場合、何もなければ通常は戻ってくるお金ですので借金とは性質が異なります。
一番安心なのは保証協会で立て替えてもらうことです。
また、あなた一人で悩まず、身内の方にご相談してみてはいかがでしょうか。
もし何らかの理由で保証協会に立て替えてもらえず、身内でお金が準備できないのであれば、カードローンで借りるという方法もいいかもしれません。
いずれにせよ、このサイトを参考にあなたに一番合った方法で見つけて保釈金を払えるようになることを祈っています。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |