小規模会社経営や自営などでリース料を支払っている方もいるかと思います。
しかし、経営が行き詰まり、だんだんとリース料が苦しくなってくるケースも少なくありません。
そして実際にリース料の支払いが難しくなった場合、どのような状況が待っているのでしょうか。
リース料を支払えずに延滞すると、催促状が届いたり訪問で請求されたりすることがあります。
滞納が発生すると、多くの会社がリース物件の引き上げを行うことも。
リース品が使えなくなる前に、キャッシングなどでお金を工面する方法を検討してみましょう。
また、リース契約は中途解約ができないため、注意が必要です。
詳しくは本文を参考にしてください。
リース料の支払いを無視すると訪問による請求も
リース料の滞納が発生すると、下記のような流れがまっています。
- 請求書の通知
- 催促の電話
- 催促状の通知
- 訪問による支払いの請求
- 保証人や保証会社への請求
- 法的措置
訪問による支払請求は場合によって、リース会社ではなく、回収業者が代行して行うこともあります。
月額払いの契約になっていれば1ヶ月でも遅れると請求書や連絡が来るはずです。
そして3ヶ月ほど延滞すると催促状や訪問による請求へと移行していきます。
まだこの段階ではリース会社も法的措置を取ろうとは考えていません。
できるだけ穏便に済ませたいと思っています。
ですから、話し合いによっては「滞納金の3割だけ支払う」、「1ヶ月分だけとりあえず支払う」ということで了承してもらえるケースもあります。
滞納金の一括払いを請求する通知が届いたとしても、まだ交渉する余地はあります。
尚、滞納が発生するとリース料の支払い請求だけでなく、リース物件の引き上げをする会社がほとんどです。
現在使っているリース品(コピー機やフォークリフト、工具など)をそのまま使い続けるというのは無理です。
また滞納が発生すると、「利用者の支払いが苦しくなっている」とリース会社は判断しますから、リース料請求は継続し、リース契約解除を検討する会社がほとんどです。
その場合は違約金が発生することもあります。(契約不履行のため)
リース契約は中途解約ができないことが多い
リース契約はレンタルと違い、年単位など、比較的長期での契約となるケースが多いです。
そのため、中途解約を認めてもらえないことが多いです。
なぜこのような仕組みが生まれるかというと、レンタル会社は自己所有しているものを貸し出す仕組みがあります。
リース会社は代わりに購入してあげている流れがあるため、そう簡単に中途解約は認めていないケースが多いです。(リース会社でも自己所有して貸し出すケースも時折ありますが)
リース会社の方が、「あなたのために用意した」という意味合いが強いので、短期での解約を認めていない傾向があります。
つまり、リース会社と契約する時は、長期での支払いに自信がある方が結ぶべき契約です。
例えば、「自己資金に余裕がある」、「経営が右肩上がりで支払いに対して問題ない」など。
もちろんリース会社もこの人に貸しても問題ないのかという調査はするので、お金がない人、または会社に貸すことはありません。
しかし経営は将来的に急激な変化をもたらすこともあるので、その場合に備えた資金が大切になってきます。
リース会社から保証人や保証会社への連絡が行くことも!
もしリース会社との連絡を閉ざすと 、契約時に記載した保証人や保証会社へ連絡が行きます。
すると、そういった第三者からあなたへ現状確認の連絡が行くはずです。
あなた自身に支払う能力がどうしてもなければ、そういった第三者が支払うことになります。
しかし、これで「自分が払わなくて済んでラッキー」なんてことはありません。
いわば、自分の支払い能力がないと認めてしまっている状況ですから、リース会社にその情報が記憶されます。
そしてその情報はあなたが利用したことがあるクレジットカード会社や金融機関へ伝わっていきます。
直接銀行からお金を借りて返せなかったというわけではありませんが、リース会社も取引は金融機関と同じ。
そこでのトラブルが発生すれば、今後一切お金を借りるのは難しくなります。
リース料の滞納が原因で破産として扱われることも
リース料を滞納し続け、支払が滞るとリース会社は回収業務会社へ委託したり、弁護士に依頼することがあります。
すると、調査会社が動き出し、あなたの身辺調査へと発展するケースもあります。
具体的には、下記のようなことが調査対象となります。
- 現在の事業状況
- 会社の収支、負債総額
- 会社構成
- 家族構成
- 返済状況(会社のローンや個人のローン等)
- 財産(自宅や車などの調査)
本当に返済能力がないのか調査が入ります。
その結果もし支払能力がないと判断されれば、任意整理や個人再生、破産等の選択を迫られます。
その結果、あなたはブラックリストとして登録されることになり、銀行やカードローン、消費者金融などの機関が一切利用できなくなります。
ここまでいってしまうのは最悪なケースです。
膨大なリース料になる前に少しずつでも返済できるような計画を相手方に伝えるなど、誠意ある対応を示す必要があります。
リース料を工面する方法とは
リース料を工面する方法は以下の4点があげられます。
- 銀行で借りる
- カード会社で借りる
- 消費者金融を利用する
- 友人や知人を頼る
銀行で借りる
仮にリース料が払えなくなっても2、3ヶ月程度でしたら、まだあなたのその滞納状況が銀行に伝わっていない可能性が高いです。
源泉徴収票や売買契約書等を提示することでお金を借りる審査が下りることがあります。
ただし自己資金がどれぐらいあるかによって、借りられる額も決まってきます。
リース料が数百万円、数千万円と膨れ上がっているときは審査に落ちてしまう可能性が高いです。
また、他の金融会社に比べ、審査が下りるまでに時間がかかるというデメリットもあります。
カード会社で借りる
銀行以外でお金を借りられる可能性があるのはカード会社。
カード会社も銀行と同じように申請者の年収や勤務状況、事業内容などの審査が入ります。
概ね年収の4分の1程度であれば借入額として認められることがあります。
例えば年収400万円の場合、100万円ぐらいだったら審査に下りるという形です。
消費者金融を利用する
消費者金融の中には、即日融資に対応しているケースもあります。
高額な融資は難しいですが、例えば、「コピー機のリース料を50万円滞納してしまっている」という程度でしたら、そのぐらいの額を借りることは可能です。
無担保、無保証人で借りられる消費者金融会社もありますので、知人や友人に迷惑をかけたくないという場合はこの方法もあります。
ただし銀行やカード会社よりも金利が高くなっていることがありますから、将来的な収入が見込めない限り、さらに負債を抱えてしまうリスクもあるので注意が必要です。
友人や知人を頼る
金利や利息をできるだけ避けたいなら友人や知人に借りることも検討してみましょう。
ただしあなたへの信頼性、これまでの振る舞いなどで安心できる材料がないと当然お金を借りることも難しいでしょう。
また、いくら仲の良い友人や知人でも額によっては抵抗を示す方が多いです。
例えば1人に50万円を借りるということではなく、友人や知人に多数声を掛けてみましょう。
1人につき5万円だけ借りる、といった方法のほうがリスクが少なく相談にのってくれる可能性が高いです。
調査会社が関わる前に対応を
リース料が払えなくなったら早めの対策が必要です。
目安としては、滞納してしまってから3ヶ月以内。
それ以上長引いてしまうと調査が入り、その返済状況が銀行などの金融機関にも流れてしまいます。
そして支払えなくなっても、必ずリース会社に真摯に対応すること。
今現在は支払わなくても、「これからどういった方法で資金を調達するか検討している」と言えば、猶予を与えてくれるリース会社もあります。