北海道を除くと、ほとんどの地域で招待制の結婚式(披露宴)が行われており、ご祝儀を持参するのが常識的な社会人のマナーです。
そうは言っても、あまりにも少ない金額では、お祝いの気持ちが足りないと誤解されるのも嫌ですよね。
ご祝儀が払えないから欠席とも言い出せないし…。
予定外の出費で頭を抱えることもあるのではないでしょうか?
ご祝儀はどうしても用意できないほど高額なものではないですが、同じ月で重なると余裕が無いときには厳しい金額ですよね。
何か対応策を考えてみましょう。
ご祝儀は礼儀の意味も持っているため、相場よりも著しく低い金額はタブー視されています。
金欠での対応策は3つです。
- 披露宴を欠席するか事情を話して後日送る
- できるだけ少なく抑える
- 何とかして用意する
詳しくは本文を参考にしてください。
結婚式のご祝儀相場はやっぱり3万円前後
ご祝儀の相場は、新郎・新婦との関係で相場が変わります。
これは考えてみれば当たり前の話で、付き合いが深くない友人・同僚の結婚式と、親族など親しい間柄の人では、その気持ちや体裁が変わってくるからです。
ゼクシィ結婚トレンド調査2016調べによると、ご祝儀相場は次のような結果でした(いずれも全国平均の推計値)。
- 友人:3.0万円
- 上司:3.8万円
- 親族:6.4万円
- 恩師:3.6万円
ご祝儀には縁起を担いだ「偶数を嫌う」暗黙のルールがあります。
これは偶数がきれいに分かれることで、夫婦が別れることを連想させるからだと言われています。
また、「死」や「苦」を連想させる「4万円」と「9万円」も避けられる傾向にあります。
そのため、夫婦でご祝儀を包むときに、3万円×2で6万円ではなく、5万円とするケースが多いです。
ただし最近はあまり気にしない人も多く、長く続いた不景気の影響もあって、ご祝儀が2万円というのも珍しくありません。
さらに2万円には「カップル」を意味することもあって、1万円+5000円×2を包む方も多くなってきています。
ご祝儀を払いたいけど払えない時の対応策
結婚式に招待されるからには、新郎または新婦とそれなりの人間関係にありますから、祝う気持ちがあるのは確かでしょう。
しかし、相場のご祝儀が払えないと、最悪の場合は人間関係にも影響します。
中には「ご祝儀はご遠慮願います」などと、招待状に書かれている場合もありますが、これはあくまでも招待する側の気持ち。
招待される側としては、ご祝儀を持参せずに会食して引出物を持ち帰るのはさすがにできません。
- そもそも披露宴に出席するのか?
- 少なくする方法はないか?
- お金を用意できないか?
冷静になって、対応策を1つずつ考えていきましょう。
そもそも披露宴に出席するのか?
ご祝儀が本来持つ意味は、言うまでもなくお祝い金です。
よって、ご祝儀を渡すべき人間関係なら、披露宴の出欠に関係なく渡すべきです。
ところが、ご祝儀にはもう1つの性格があり、それは披露宴の招待客にかかる費用を、招待客が自ら支払う礼儀の意味です。
招待客に出す料理や飲み物、引出物の実費を合計すると、3万円というご祝儀相場は決して高くありません。
建前上は招待でも、なるべく両家に負担をかけず、披露宴は招待客側で負担するのが現実的なご祝儀の位置付けなのです。
実際、結婚式の総費用がご祝儀で足りる例は少なく、披露宴の費用が出ればよいほうではないでしょうか。
このようなご祝儀の性格を考えると、払えないときは丁重に欠席を伝えるのも1つのマナーです。
既に出席の連絡をしてしまったときは、恥を忍んで後日送ることを伝えて出席し、お金が用意できたらお詫びの言葉を添えて送ると良いでしょう。
少なくする方法はないか?
次に考えたいのは、ご祝儀を少なくする方法です。
ご祝儀で3万円が多いのは、1万円では明らかに不足、2万円では偶数を嫌う縁起担ぎも関係するからですよね。
しかも、相手から「ケチっている」と思われないように、できれば自然な形でご祝儀が少なくなれば良いわけです。
必ずできるとは限りませんが、次のような方法は使えそうです。
知り合いと連名にする
先ほど、夫婦でのご祝儀は5万円が多いと説明しました。
2人になると5万円でも不自然にならないことを利用して、連名でご祝儀を用意します。
同じようにご祝儀で困っている友人・同僚などに話してみましょう。
難点は連名すること自体で、夫婦や家族以外では、基本的に連名としないのも事実です。
無い袖は振れないのですから、その点は割り切るしかないですね。
複数の人と金額を合わせる
1人だけご祝儀が少ないと浮いてしまいますが、少ない人が多くなれば目立ちません。
できるだけ多い複数の人(友人同士・同僚同士など)でグループを作り、3万円のところを2万円にするなど決めてしまいます。
新郎・新婦も、グループ全員が同じ金額になっていると納得できるはずです。
足りないと思うなら、グループ全員でプレゼントか花でも追加すれば大丈夫でしょう。
挙式のみ、2次会のみに出席する
披露宴のご祝儀は3万円が相場でも、挙式や2次会からの出席ではご祝儀を渡さないか、渡しても参加費として1万円前後のことが殆どです。
そのくらいなら払える場合は、披露宴を欠席する代わりに、挙式か2次会に出席するだけで解決します。
お金がないことを伏せて披露宴を欠席しても、挙式や2次会でお祝いの言葉を直接かければ、きっと感謝されるのではないでしょうか。
一部をプレゼントにする
ご祝儀の代わりにプレゼントを贈るのは、それほど変ではありません。
しかしあからさまに節約したいとわかるような、安いプレゼントでは見透かされてしまいますよね。
夫婦両方の好みに合わせるのも難しいです。
対応策としては、ご祝儀の一部だけをプレゼントにします。
例えば3万円のご祝儀なら、2万円+5千円程度のプレゼントにすれば不自然にならなくて済みます。
ですが、当日はたくさんのプレゼントをもらうでしょうから、品がかぶってしまうこともあります。
例えば・・・
- 夫婦お揃いのペアグラス、お皿、マグカップ類、夫婦茶碗など
- タオルセット
- お花、ブリザーブドフラワー
- 時計付フォトフレーム
特に食器類は「大量に頂いて置場に困る…」という新郎新婦の声が少なくありません。
かといって無闇に処分することもできませんし、できれば避けたい贈り物と言えるでしょう。
プレゼントを考えるときには、事前に新郎新婦に欲しいものがないか探りを入れておくのも一つの手段です。
お金を用意できないか?
10万円を超えるご祝儀ならともかく、社会人なら3万円くらいは用意できる社会的信用があるはずです。
借りてでも用意できないか、一度は検討してみるべきでしょう。
結婚式・披露宴は、友人・同僚・上司なども出席することが多いので、同席者に短い期間だけ借りるのも手ですが、できれば自分で用意したいところ。
親に頼れないときは、クレジットカードのキャッシング枠やカードローンでも仕方がないです。
また、ご祝儀は定期的・継続的に発生するお金ではなく、借りても生活が破たんする金額でもありません。
礼儀・義理よりも生活だと思うなら欠席すれば良く、出席して面目を保つことも人付き合いでは大切です。
まとめ 常識の範囲内での対応を
ご祝儀が払えないときの対応策をいくつか紹介してきました。
ご祝儀は気持ちだと言いながら、相場の金額を期待される慣習もどうかと思いますが、それはともかく、払えないと常識を疑われます。
ですから、少なく抑えるか何とか用意して対処することがマナーとして求められるのです。