憧れのマイホームを購入、そして維持していくためには様々な費用がかかります。
なかには、「これって本当に必要なの?」と思うような項目もありますよね。
いざという時にならないとわからない、「火災保険」なども挙げられるのではないでしょうか。
戸建てだけでなく、賃貸の場合は火災保険への加入が必須になっている物件もあります。
ですが中には高い保険料を支払えず、滞納してしまう方もいます。
ここでは、火災保険の保険料を滞納するとどうなるかご紹介します。
火災保険の保険料には、「払込猶予期間」があります。
仮に支払期日に間に合わなくても、猶予期間中であれば補償が継続するというものです。
しかし猶予期間を過ぎると保険が失効するか、もしくは自動振替貸付が行われます。
クレジットカード払いしている場合はカード会社からの督促が行われるので要注意です。
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滞納するとどうなる?すぐに補償が受けられなくなるの?
まず、火災保険を滞納してしまうとどうなるのか見ていきましょう。
- 「払込猶予期間」であれば補償が受けられる
- 払込猶予期間をすぎると、保険は失効してしまう
- 失効したあとも補償が受けられる場合もあるけど…
- クレジットカード払いにしていると大変なことに?
滞納しても、「払込猶予期間」であれば補償が受けられる
「保険料を滞納した…すぐに保険が失効する!」
不安な方も多いと思いますが、滞納してもすぐ失効することはありません。
実は「払込猶予期間」というものがあり、その期間中は継続して補償を受けられます。
この期間中に保険料を払えれば、保険が失効してしまうことはありません。
本来の支払期日 | 払込猶予期間 | |
月払い | 月ごとの契約応当日が属する月の末日まで | 払込期月の翌月末日まで |
半年払い | 半年ごとの契約応当日が属する月の末日まで | 払込み期月の翌月~翌々月の契約応当日まで |
年払い | 年ごとの契約応当日が属する月の末日まで |
参考:公益財団法人 生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/lapse.html
例えばSBI損保では、以下のように払込猶予期日が定められています。
地震保険 住まいの保険 上記が自動継続となる契約 |
払込期日の属する月の翌月末日 |
またセコム損保の地震保険では、
自動継続特約(地震保険用)の払込猶予期限は、“保険料の払込みを怠ったことについて故意および重大な過失がなかったと当会社が認めた場合”、払込期日の翌々月末となります。
とあります。
このように、保険会社各社によって、払込猶予期間の取り決めが少しずつ異なるようです。
支払い方法にもよりますが、おおむね翌月の末日までなら猶予が認められる、ということですね。
払込猶予期間をすぎ、立て替えができなくなると保険が失効する
払込猶予期間に関する取り決めは、各社ともに似通っており、すでに保険料を払い込んでいる場合、保険料の自動振替貸付が行われます。
これは払い込んだ保険料で支払いを立て替えておくものです。
またその場合、立て替えられた保険料に利息がかかります。
例えば三井住友海上では、立て替えした保険料に対して年6%の利息を課しています。
また、以下のような場合には保険が失効してしまうことになるので注意してください。
- 保険料を払っていない場合
- 立て替えができない場合
- 立て替えの限度額を超えた場合
失効したあとも補償が受けられる場合もあるけど…
払込猶予期間に間に合わず、自動振替も行われない場合、火災保険は失効してしまいます。
しかし保険が失効しても、以下のような場合は補償が受けられる可能性があります。
- 保険契約の失効日が別で定められている
- 最後に支払った日までは補償が受けられる
上記のような例外はありますが、基本的には「保険が失効すると補償は受けられない」と思っておいたほうが良いでしょう。
契約時に確認しておくか、約款をよく読んでおくようにすると安心です。
クレジットカード払いにして滞納すると大変なことに?
ひとつ注意しておきたいのが、支払い方法をクレジットカード払いにしている場合です。
今やほとんどの方は、保険料の支払いをクレジットカード、もしくは口座振替にしているでしょう。
クレジット払いを滞納した場合、保険会社ではなく、クレジット会社から催促があります。
具体的には電話や書面による督促が行われ、放っておくとクレジットカードも使えなくなってしまうでしょう。
また2ヶ月以上滞納してしまうと、個人信用情報機関に事故情報が残ることになります。
こうなると俗に言う「ブラックリスト入り」となり、様々な弊害が発生します。
- カードローンの利用不可
- 各種ローン契約不可
- スマホ機種代金の月賦払い不可
- 新規クレジットカード作成不可
事故情報は5年ほど残り、申し出ても削除されることはありません。
特に住まいを購入して様々なローンを考えている人にとって大きな障害となるでしょう。
そもそも火災保険は強制加入なの?賃貸では入らなくてもいいの?
火災保険の保険料を滞納した場合についてご紹介してきました。
しかしなかには、「賃貸だけど強制加入が疑問」という方も多いかもしれませんね。
賃貸の火災保険に加入しなければならない理由は?
賃貸における火災保険の商品名は、おおまかに以下の2つです。
- 家財保険
- 借家人賠償責任保険
実は賃貸における火災保険の加入は任意なので、必ずしも…というわけではありません。
「あ、じゃあ断ってもいいんだ!」
「だって火事なんていつ起こるかもわからないし…」
とにかく出費を減らしたい方は、そう思うかもしれませんね。
しかし、火災保険の加入を賃貸物件の契約締結の条件としている場合がほとんどです。
では、なぜそこまでして入居者に火災保険の加入を強いるのでしょうか。
- 自分の過失で火災になった場合の補償のため
- 隣家から火をもらって被害にあった時のため
- 原状回復のため
自分の過失で火災になった場合の補償のため
例えば、自分の部屋から火が出て、物件すべてが燃えてしまった時のことを考えてみます。
この場合、全部自分で補償しなければならないのか不安になりますよね。
これには「失火責任法(失火法)」が大きく関係します。
失火責任法では、火災を起こした人に「重大な過失」が認められない場合、損害賠償責任を負わせないとしています。
重大な過失にもとづく火事とは以下のようなものです。
- 天ぷら油による火災
- 電気、石油ストーブなどの暖房器具による火災
- 寝タバコによる火災
上記のような重過失による火事が起こった場合には賠償責任が発生するので、そのときの補償として、火災保険が機能するというわけです。
でも、こうした火災の原因は、何も自分によるものだけではありませんよね。
隣家から火をもらって被害にあった時のため
重大な過失がなければ、失火者に損害賠償を請求することはできません。
そのため、隣家から火があがり、被害にあったとしても、補償が行われないケースが出てきます。
こうした場合にも火災保険が機能し、補償が行われることになります。
日本は木造建築の住居が多く、一度火が出ると燃え広がりやすい傾向にあります。
出火元の家人にそのすべての損害賠償を求めても、支払われないことのほうが多いようです。
そのため、「自分の家財は自分で守る」という認識が根強いのかもしれません。
原状回復のため
また、入居者には賃貸借契約により、退去する時には原状回復する義務があります。
壁紙を破く、ジュースをカーペットにこぼすなどした場合などが一般的ですね。
多くの場合入居時に払った敷金か、もしくは追加でお金を払って原状回復を行います。
それが火事ともなれば、敷金ではまかなえないほどの金額になってしまうでしょう。
原状回復できないとなれば損害賠償責任が生じる可能性があります。
ここでもやはり火災保険が機能し、補償が行われることになります。
まとめ:賃貸でも一戸建てでも火災保険加入は必須!払込猶予期間に気をつけましょう
河川の氾濫や、地震、台風による土砂災害など、様々な自然災害のある日本。
自分だけは大丈夫、と思っていた…というコメントを聞く機会が多くなったように思います。
保険商品は、いずれも「もしもの時」「いざという時」に機能するものです。
どんなに現実味がなくても、被害に巻き込まれた時のために備えておく必要があります。
保険料を滞納した時、まず気にしておきたいのは払込猶予期間。
その期間中であれば補償は継続しますが、過ぎてしまうと保険が失効することも。
支払いが難しい、と感じた時は、加入している保険会社に一報入れるようにしてください。
クレジットカード払いにしている場合は特に注意しましょう。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |