「自動車保険が払えない…タイムリミットはどのぐらい?」
自動車保険が払えず、車の運転を気に病んでいませんか?
万一に備えて加入する自動車保険。
ところが、滞納が2カ月続けば強制的に保険は解除されてしまい、事故にあっても補償を受けることはできません。
そこで今回は、保険料を払えないとどうなるか?の流れと解決法についてお伝えします。
保険料の滞納は2カ月がタイムリミット。
3カ月目には強制的に保険は解除されてしまいます。
そうならないための解決法としては、
- 保険の見直しをして乗り換える
- 一時的に支払えないならキャッシングやカードローンもあり
- 保険を解約し「中断証明書」で等級をキープする
という方法があります。詳しくは本文を参考にしてください。
払えないと強制解約に
自動車保険料が払えないとどうなるのか?その流れを見ていきましょう。
保険会社によって対応は異なりますので、ここでは一般的なケースをお伝えします。
- 翌月2カ月分が引き落とされる
- 翌月に3カ月分一括請求される
- それでも払えなければ「強制解除」
翌月2カ月分が引き落とされる
最近は保険料支払いに関して、口座引き落としの人がほとんどです。
残高不足で引き落としができないと、次回引き落としの案内が記された「督促状」が送られてくるか、電話で連絡がきます。
この時点で支払えない場合、ほとんどの保険会社が翌月に2カ月分の保険料を引き落とします。
翌月に3カ月分一括請求される
2カ月分の口座引き落としができないと、翌月に3カ月分の保険料が一括請求されます。
ただし、ここまでは「猶予期間」となりますので、支払いをすれば保険をそのまま継続することができます。
また補償に関しても、この段階であれば事故を起こした際の補償は受けられます。
何とかこの期間内に支払えるようにしましょう。
それでも払えなければ「強制解除」
3カ月分の保険料が支払えないと、保険は強制的に「解除」となります。
ただし、解除になったからと言って、滞納している保険料を支払わなくてよいということではありません。
その後も保険会社から請求が来ますし、それでも払わなければ「債務不履行」で訴えられる可能性もあります。
月払いができない、等級が下がる可能性も
強制解除になると補償がなくなるだけでなく、それ以外にもあなたにとって不利になることがいくつかつあります。
- 等級を引き継ぐことができないので、再び保険に入るときは6等級からのスタートとなる
- 同じ保険会社に再加入する際、「年払い」しか受け付けてもらえない可能性が高い
- 別の保険に加入するまでの間に事故を起こしても補償がされない
自動車保険の重要性。払わずにいるととんでもないことに
自動車保険の強制解除となれば、事故時の損害賠償や補填はすべて自己責任となります。
しかし「自賠責保険には入ってるから平気!」と考える方もいるかもしれません。
確かに、「任意保険」と呼ばれる自動車保険が必要なのかどうか、ネット上でも度々物議を醸してしますよね。
それでは、例えば事故を起こしてしまった時、どんなお金が必要になるか考えてみましょう。
- 自分や相手の怪我の治療費、入院費
- 自分の車、相手の車の修理費
- 弁護士費用
- 店舗破損による長期営業停止に伴う営業損害
- 慰謝料
上記はあくまでも一例ですが、ざっと考えるだけでも大変なお金がかかることがわかります。
いつどんな時に、どのような事故を引き起こしてしまうかわかりません。
さらに自動車を運転する方なら必ず入っている自賠責保険の上限額は以下のとおりです。
事故 | 項目 | 上限額 |
死亡事故 | 葬儀費用、慰謝料など | 3000万円まで |
後遺障害の残る事故 | 治療費、慰謝料など | 4000万円まで |
傷害事故 | 治療費、休業損害、慰謝料など | 120万円まで |
この上限額を超える金額の損害賠償金を求められても、自賠責保険だけでは補填できません。
損害賠償金を際限なくいくらでも用意できる、という方はいないでしょう。
自賠責保険だけで補填できない費用を補うために、様々な任意保険が用意されているというわけです。
私たちは前触れなく被害者になるかもしれませんし、意図せず加害者となってしまうこともあり得ます。
「自動車保険の保険料を滞納してるけど、もしも解除されても大丈夫だろう…」という根拠のない自信は危険です。
事故を起こしてしまって保険が効かないとなれば、相手方の人生も、そして自分の人生も滅茶苦茶になってしまいます。
払えない場合は保険の見直しを
では、保険料が払えない場合の解決策を見ていきましょう。
- 保険の見直しをして乗り換える
- 一時的に支払えないならキャッシングやカードローンもあり
- 保険を解約し「中断証明書」で等級をキープする
保険の見直しをして乗り換える
「保険料が高くて払えない」というのであれば、保険そのものの見直しをして保険料を安くするという方法があります。
保険料が安くなれば、その分、補償も薄くなる場合も多いです。
しかし、あなたが車を必要としているのであれば、保険料を払えず車を手放してしまうよりはよいはずです。
また、あなたの保険が7等級以上であれば、今の保険を解約して7日以内に別の保険に加入すればそのまま等級を引き継ぐことが可能です。
くれぐれも未加入のまま運転して事故を起こしてしまった…ということがないようにしましょう。
一時的に支払えないならキャッシングやカードローンもあり
「今月だけ払えない」「〇カ月後には払える」
一時的に返済が苦しい状況であれば、カードローンやキャッシングで借りて払ってしまう方法もあります。
「リボ払い」にしておけば、月々の支払額は少なくて済みますよね。
あなたのお財布事情に合わせて返済計画を立てて、無理のない範囲で借入を行ってください。
保険を解約し「中断証明書」で等級をキープする
「当面は車に乗らない」というのであればもちろんのこと、3カ月分の保険料が払えないのであれば、いっそのこと車を売却し自動車保険を解約するという方法もあります。
その際、忘れてはならないのが「中断証明書」の発行です。
強制解除をされてしまうと等級が下がってしまいます。
しかし、自分から解約して中断証明書を発行してもらえば、現在の等級を10年間キープしておくことができます。
ただし、以下の条件をクリアしている必要があります。
- 廃車・売却・リース会社へ返還してあること
- 車検が切れていて、継続して車検を受けていないこと
- 7等級以上であること
- 解約日までに一時的に車の抹消登録をしていること
中断証明書は家族にも引き継げる
「この際だから今後も車は買わない」と考えたとしても、中断証明書は発行してもらいましょう。
その理由は、中断証明書があれば家族に等級を引き継ぐことができるからです。
たとえ7等級でも保険料が安くなりますし、10年間有効ですので持っていて損はないはずです。
まとめ 強制解約は等級がなくなるので損
あなたに合った解決策は見つかりましたか?
もしも、どうしても支払えないのであれば、強制解除となる前に自分から解約してしまうという方法が一番リスクは少なくてすみます。
いずれにせよ、強制解除となってこれまでの等級を無駄にしてしまうのは一番もったいないので、早めに手を打ちようにしましょう。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |