「浮気されるほうだって悪いのに…」
そんな思いが心のどこかにありませんか?
しかし、裁判なのか示談なのかは別として慰謝料がすでに確定したなら、支払うしかありません。
だとすれば「払えない」ではなく、何としてでも「払う」という気持ちが大切です。
とはいえ、「生活するのが精一杯」という方の場合、払いたくても払えないこともあるでしょう。
そこで、不倫や浮気の慰謝料を払えないとどうなるのか?について解説し、その解決法をお伝えします。
不倫や浮気の慰謝料は、内容が内容なだけに払わないでいると相手が突然自宅へ取り立てに来る可能性もあります。
また、裁判公正証書によって慰謝料支払いを決めたのであれば、最悪、給料や銀行口座を差し押さえられることもあります。
そこであなたがまずやるべきことは、相手に連絡をすることです。
解決法としては、
- 分割払いや延納のお願いをしてみる
- カードローンで借りる
- 本当に払えないなら開き直る
- 自己破産をしてやり直す
という方法があります。
詳しくは本文を参考にしてください。
払えないと差し押えも。不倫の代償としては高すぎる!
ここでは、すでに払うべく慰謝料の額が決まっていて、それをあなたが払わないとどうなるかについてお伝えしていきます。
なお、不倫や浮気の慰謝料を支払う相手は個人なので、ここでご紹介する以外の請求方法をとってくる可能性もあります。
督促状・催告書が届く
まず、慰謝料を払えなければ相手から催促の連絡が来ます。
ほとんどは手紙などの書面でくるはずです。
これを無視していると、内容証明で催告書が届く可能性が高くなります。
催告書は最後警告ととらえましょう。
何度か督促しているのに払ってくれないわけですから、相手もかなり腹を立てています。
「○月○日までに必ず振り込むこと。確認できなければ法的手段をとります」といった強い口調で書かれているはずです。
浮気の慰謝料ですから、相手も感情が入って当然です。
とにかく督促状が送付された段階で、1日でも早く相手に連絡をしましょう。
取り立てに来る可能性もある!
督促状や内容証明を送っても支払わないとなれば、いきなり自宅まで取り立てに来る可能性もあります。
「取り立てなんて違法じゃないの?」
確かに、以前はサラ金が夜遅くに取り立てに行ったり、玄関先で大声で怒鳴ったり、仕事帰りに待ち伏せをしたり…。
しかし、個人には貸金業法が適用されないので、取り立てに来ても必ずしも違法ではありません。
脅迫や暴行、度を超した迷惑行為などがある場合に限り、違法となる余地があります。
むしろ、不倫や浮気の慰謝料ともなれば、あなたへの心証は最悪なはずです。
それ以上、相手が強硬手段に出てこないよう、もしも取り立てに来たらまずは冷静に話し合えるよう努力しましょう。
裁判所から支払督促が届くことも
慰謝料の額が裁判ではなく話し合いで決めていた場合、約束通り支払わなければ、今度は裁判に、ということになります。
「支払督促」という裁判所を通した督促手続をとられることもあります。
裁判となれば、平日に仕事を休み出廷しなければなりません。
反論しないまま欠席すると、相手の言い分をすべて認めたことになります。
また、「支払督促」の場合、通常の督促と異なり裁判所が間に入っていますので、「○月○日までに○○万円を払いなさい」という文章に法的効力が発生します。
この通知を無視しているといきなり「強制執行」「差し押さえ」になる可能性が高いので、無視は絶対にしないでください。
参考:裁判所「支払督促」
給料や銀行口座まで差し押さえされる!
差し押さえられる財産には、預貯金や生命保険、給料、家や土地、車や宝石などいろいろあります。
もちろん、最低限の生活必需品は差し押さえられることはありませんが、「給料」や「銀行口座」も差し押さえの対象です。
給料の場合、手取り額により異なりますが、33万円未満であれば1/4まで差し押さえられる可能性があります。
もしあなたが、預貯金があるのに賠償金を払わないとすると、銀行口座を差し押さえられることもあります。
そうなってしまうと口座は凍結され、自由にお金を引き出すことができなくなります。
いずれにせよ、差し押さえになる前に手を打つようにしましょう。
払えない場合の解決方法は4つ
では、払えないとどうなるかの流れを理解したところで、いよいよ解決策を見てみましょう!
- 分割払いや延納のお願いをしてみる
- カードローンで借りる
- 本当に払えないのなら開き直る方法もあり
- 自己破産する
1.分割払いや延納のお願いをしてみる
これまでに説明したどの段階でもそうですが、払えないのであればとにかくすぐに連絡をし、まず「払えない」ということを伝えましょう。
そして、分割で払えないか、もう少し支払いを待ってもらえないかをお願いしてみるのです。
浮気をされた側の多くは、「とにかく謝ってほしい」という気持ちの方が強いことが多くあるようです。
心から詫び、あなたの経済的な現状を話し、「○○万円にしてもらえるなら何とかして一括で払えるようにします」といった具体的な返済方法を伝えてみましょう。
誠実な態度できちんと伝えれば、相手も減額や分割での支払いに応じてくれる可能性もあります。
2.カードローンで借りる
カードローンで10万円でも20万円でも、まずは借りて支払い、その上で分割なり減額の話をするのも方法です。
もちろん、全額をカードローンで借りて返し、縁を切ってしまったほうが、お互いのためになることもあります。
最近はカードローンも銀行系のものが多くなっています。
金利も借入金額によっては4~5%と安いケースがあり、カード会社によっては無利息期間がついていることもあります。
ただし、良い条件のカードローンの審査は厳しくなりますので、金融ステータスによっては借りられない可能性もあります。
また確実に返済できる、という状況でないと、後々になって自分の生活を苦しくしてしまう恐れもあります。
賠償金の支払請求がかなり差し迫っているのであれば、すぐに借りることができる消費者金融系のカードローンから借りるのも方法です。
3.本当に払えないのなら待ってもらう方法もあり
相手の方には申し訳ないのですが、最悪、支払いを待ってもらう方法もあります。
しかし、「払えないんだから仕方ないでしょ」と居直ってはいけません。
どのような理由があっても、一般的に悪いとされるのは浮気や不倫をしてしまったほうです。
あくまでも、「払いたいけど払えない」「払えるようになったら必ず払うから」という気持ちを伝えてください。
そして、毎月千円でも1万円でも、払えるときには必ず払うようにしましょう。
4.自己破産する
自己破産をすると、基本的にすべての負債が免除されるので、よほど悪質なケースでない限り、不倫の慰謝料支払い義務も無くなります。
もちろん、いろいろな制限は出てきます。
- 10年ほどブラックリストにも登録され借入ができなくなる
- クレジットカードが作れない
- 国が発行する「官報」に住所と氏名が載ってしまう
- 税理士や司法書士といった「士業」、警備員など仕事につけない職業がある
このようなデメリットはありますが、あなたが賠償金以外にも支払いで苦しんでいたり、生活そのものがやっていけなかったりする状態であれば、最後の手段として自己破産もやむを得ないのではないでしょうか。
まとめ 誠意をもって支払いを
不倫や浮気の慰謝料の場合、やはり立場はあなたが圧倒的に不利です。
犯罪ではないにしろ、道徳的ルールを破っているわけで、その謝罪の形として慰謝料の取り決めをしたはずです。
ですので、督促であれ催告書であれ、届いた段階ですぐに行動することが大切です。
「払えないから仕方がない」と開き直るのではなく、できれば毎月少しずつでも返済するなり、この先、まとまったお金が入る予定があるなら、その旨をきちんと伝えて待ってもらうなり、誠意を持って相手の方に交渉してください。
くれぐれも投げやりにならないでください。
生活を見直して節約できるところはしましょう。
これをチャンスととらえて人生をやり直す気になれば、道は必ず開けます。
どうかあきらめず、あなたに合った方法で解決していましょう!
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |