「よっしゃー!FXで儲けてやるぜ」
そう意気込んで始めたものの、儲かるどころか追証金(おいしょうきん)が払えない…
あなたもこんな事態に陥っていませんか?
ここではFXの追証金が払えないとどうなるのか、その流れと解決法をお伝えします。
FXの追証は、払えなければ「借金」と同じです。
督促が届き、それでも支払えないと差し押さえられる可能性もあります。
解決法として以下の4つをご紹介します。
- 一時的にカードローンでキャッシングする
- 自分から連絡し分割の交渉をする
- 外部の第三者機関に相談する
- 自己破産をしてやり直す
ただし、分割にした場合、1度でも遅れればすぐに差し押さえ、という可能性もありますので注意が必要です。
詳しくは本文を参考にしてください。
手持ちの証拠金が不足すると発生する「追証」
FXの追証とは、レバレッジを利用する際に担保となる「証拠金」が不足した場合に、追加の証拠金が発生する事態のことを言います。
追加の証拠金=追証ということです。
レバレッジとはテコの原理のことで、投資の場面では自己資金(証拠金)の何倍、何十倍の金額で取引ができるシステムのことです。
例えば、10万円の証拠金で10倍のレバレッジを使えば、100万円の取引ができるというわけです。
ただし、それだけに大きな取引ともなれば損失も大きく「ハイリスクハイリターン」となります。
FX業者の取り立て。払えないと最悪、財産の差押えされることも
証拠金不足で、FX業者への支払いが出来ない場合、督促がどのようになされるのか気になりますね。
ハイリスクハイリターンのレバレッジを使った追証が払えなくなった場合、次のようになります。
- 保有しているポジションはすべて強制決済される
- FX業者や証券会社から一括返済の請求が届く
- 財産の差し押さえをされることも
1.保有しているポジションはすべて強制決済される
基本的には、追証が発生するとFX業者や証券会社から連絡があり、期日までに支払うよう催促されます。
追証は、担保として預けておいたお金(証拠金)の額を超えた取引の際に発生します。
その取引で損をした場合、一時的にですが、FX業者や証券会社があなたの肩代わりをしてくれます。
そのため肩代わりの金額が大きくなりすぎないよう、FX業者や証券会社では「これ以上取引を続けさせるとヤバイぞ」というデットライン(損切ライン)を設けています。
ですので、催促の連絡をしても追証を支払わなければ、次の段階として手持ち外貨の残高(ポジション)がすべて強制的に決済されて、損失が確定してしまいます。
2.FX業者や証券会社から一括返済の請求が届く
強制決済をしても払えない損失が発生している場合、FX業者や証券会社から一括返済の請求書が届くようになります。
また、FXの投資資金を消費者金融などで借りて、その支払いができなくなるパターンも非常に多いです。
この段階になると、もはや追証は立派な「借金(債務)」です。
法律でも請求する権利を認められています。
業者によってはかなり厳しく取り立てをしてくるケースもあります。
3.財産の差し押さえをされることも
業者からの請求書は、やがて「督促状」「催告通知」に変わり、強硬になっていきます。
内容証明郵便が送付され、支払いを促す連絡も入ることになるでしょう。
支払いを行っていない、という事実は明白ですので、訴訟を起こされても強制的に敗訴となります。
最悪の場合法的措置として、家や土地、車などの財産を差し押さえられることになります。
払えない場合の解決策は次の4つ
では、実際に追証が払えない場合の解決策を見ていきましょう!
- 一時的にカードローンでキャッシングするのもあり
- 自分から連絡し分割の交渉をする
- 外部の機関に相談してみる
- 自己破産をしてやり直す
1.一時的にカードローンでキャッシングするのもあり
追証の支払い連絡がきたとき、その段階でお金を用意できそうなら支払ってしまいましょう。
ほとんどの業者が翌々営業日を支払期限にしています。
そこで、「来月か再来月にはお金が入る」というのであれば、すぐに借り入れができるカードローンで一時的にキャッシングして支払ってしまう方法もあります。
この時点でキャッシングして追証を払ってしまえば強制決済されることもないので、FXを続けたいのであればこのように対応すると有効です。
ただし、あくまでもお金が入ってくる見込みが確実な場合にのみ利用しましょう。
FX追証金に加え、カードローンの借金まで増やしてしまうようでは本末転倒です。
2.自分から連絡し分割の交渉をする
最初の請求で支払えないとわかっているのであれば、すぐに支払えない旨といつならば支払えるのか、きちんと伝えましょう。
請求や督促が手紙やハガキで郵送されてきた場合、相手からの連絡を待つのではなく、あなたから連絡することが重要です。
この対応次第で、相手が次の策を打ってくるか、督促を一時的にストップさせてくれるかの違いが出てきます。
そのうえで分割払いの交渉をしてみましょう。
分割で1度でも返済が遅れれば裁判・差し押さえになることも
話合いをして、相手の好意により分割での返済が可能になった場合、返済期日にきちんと支払うことは絶対条件だと思ってください。
FX業者や証券会社も、せっかく分割をOKしたのにそれでも遅れてくるような人には容赦はしません。
1度でも遅れたら裁判をされて財産を差し押さえられても文句は言えないので心してください。
3.外部の機関に相談してみる
払えないからとひとりで悩んでいると精神的なダメージも大きくなります。
「どうしたいいかわからない」という方は、第三者機関に相談してみるのもひとつの方法です。
国民生活センター
「裁判にはしたくないけど、自分で業者と話し合いをするのは自信がない…」
という方の場合、国民生活センターや消費生活センターで無料相談をする方法もあります。
相談すると、国民生活センターが運営しているADR(裁判外紛争解決手続き)を紹介してくれます。
ADR(裁判外紛争解決手続)を利用すると、担当者の方が業者との間に入って話し合いを続けることができるので、自分一人で対応する必要がありません。
「ADR(裁判外紛争解決手続)の紹介_国民生活センター」:https://www.kokusen.go.jp/adr/
証券・金融商品あっせん相談センター
あなたが取引していたFX業者や証券会社が日本の会社のケースで相談が可能です。
特定非営利活動法人なので、公正・公平な立場であなたの話を聞いてアドバイスしてくれます。
「証券・金融商品あっせん相談センター」:https://www.finmac.or.jp/
4.債務整理・自己破産をしてやり直す
破産法によると原則的に「浪費又は賭博」による自己破産は認められていません。
つまりFXや株などの投資で作った借金では、原則として自己破産をすることはできないのです。
しかし「裁量免責」という制度があります。
あなたが本当にやり直す(更生)意欲があり、またやり直す見込みがあると裁判官が判断してくれれば、自己破産をすることは可能です。
実際にはギャンブルによって自己破産した人の多くが自己破産によって借金問題を解決しています。
参考:裁判所「破産手続における「免責」とは,どのようなものでしょうか?」
もちろん、自己破産にはさまざまなリスクもありますので、追証の額が少ないのであればおすすめはできません。
多額の追証やその他の借金でがんじがらめになっているのであれば、自己破産をして人生をリセットする方法も視野に入れましょう。
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まとめ 追証は借金。できるだけ早く対応すること
あなたに合った解決法は見つかりましたか?
FXのレバレッジで大儲けしたという話もよく聞きますが、最近では「多額の追証が払えなくて自殺」というニュースも時折見かけるようになりました。
株やFX取引では、ハイリターンにばかり目を向けるのではなく、ハイリスクも想定して取引をすることが大切です。
「追証は借金」と思っていたほうがいいかもしれません。
追証をちゃんと支払ったうえで、またFXを始める場合は、くれぐれもそのことを忘れないようにしましょう。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |