免許を取るタイミングは、高校卒業や進学後の在学中など人それぞれですが、多くの方はお金がない若いうちに取るでしょう。
就職してしまうと、教習所に通うのが大変になるからです。
免許費用は、約30万円が相場(地域差あり)となっており、とても学生に払える金額ではありません。
親に出してもらえる人はともかく、免許費用を自前で用意できる人は少数派です。
そこで利用したいのが免許費用を払うためのローン。
どのようなローンがあるのか説明していきます。
免許ローンは、教習所で使えるローンと、教習所以外のローンがあります。
それぞれをローン会社で分けると次のとおりです。
- 教習所のローン→信販系クレジットカード会社
- 教習所以外のローン→銀行、消費者金融
ローンの申込先によって審査基準なども違います。
詳しくは本文を参考にしてください。
免許費用で使えるローンの種類
免許費用をローンで払うには、ローンを引き受けてくれるローン会社が必要です。
教習所は貸金業者ではないので、教習所が単体でローンを扱うことはありません。
免許費用で使えるローンは、次の3系統に分かれます。
- 教習所の免許ローン(信販系クレジットカード会社)
- 銀行のマイカーローン
- 銀行や消費者金融のフリーローン
教習所の免許ローン(信販系クレジットカード会社)
教習所の免許ローンは、教習所が信販系クレジットカード会社と提携して提供しています。
メジャーなところでは、オリコ、ジャックス、エポスカード、セディナ、アプラスなどのローンを利用できます。
一部教習所では大学生協とも提携していますが、大学生協も結局は信販系クレジットカード会社と提携しているため、窓口が大学生協になるだけで実質的には貸付主体は貸金業者となります。
信販系クレジットカード会社の手数料率(金利)は、年12%~14%程度になっています。
大学生協では9%のケースもあるので、大学生であれば利用すると良いでしょう。
教習所免許ローンの審査基準
バイクの免許は16歳以上、車の免許は18歳以上で取得できることから、教習所の免許ローンは、未成年も対象にしています。
ただし、収入がない未成年も多いことで、教習所の免許ローンは申し込みに特殊な条件があります。
- 18歳未満:親の申し込み限定または利用不可
- 18歳以上の学生:本人申し込みで親の同意が必要
- 20歳未満の社会人:本人申し込みで親の同意が必要
- 20歳以上の社会人:本人申し込み可
概ね上記のような条件が多く、未成年もしくは学生のうちは、親権者の同意を必要とします。
条件は提携するクレジットカード会社しだいなので、教習所に問い合わせてみましょう。
また、多額の借入金がある、過去に延滞履歴があるなど、返済能力・社会的信用に欠ける人は審査に通らないことがあります。
銀行のマイカーローン
大手銀行・地方銀行問わず、車の購入の際にも利用できるマイカーローンのサービスを提供しています。
マイカーローンの利用目的には、免許費用も入っているので、免許取得の際に使っても問題ありません。
銀行のマイカーローンは金利の低さが特徴で、1%台~4%程度です。
金利が低いと利息も少なくなって、返済が楽になる点を考えると、利用できる人なら積極的に利用を検討すべきでしょう。
銀行マイカーローンの審査基準
金利が低いローンということもあり、銀行のマイカーローンは審査基準が厳しく、定収入のある20歳以上に限られます。
この時点で学生は除外されますし、パートやアルバイトなど不安定な収入の人も利用できないため、免許を取得する学生などの年齢層にはハードルが高いローンです。
他の審査基準は各銀行で異なり、年収水準や勤続年数も審査基準に含めている銀行もあります。
一般的には、大手銀行よりも地方銀行のほうが審査は緩いと言われています。
また多くの銀行は、保証人を不要とする代わりに、保証会社との保証契約を求めてきます。
したがって、銀行の金利には保証料が上乗せされているのですが、それでも銀行のマイカーローンは他のローンと比べてかなりの低金利です。
保証会社を利用した場合、実質的な審査は保証会社が行い、収入、借入金の有無と金額、延滞履歴などが確認されます。
保証会社がOKを出さないと、銀行はお金を貸してくれません。
詳しくは銀行のホームページなどで確認してください。
銀行や消費者金融のフリーローン
フリーローンとは、利用目的を問わないローンのことで、「多目的ローン」と呼んでいる銀行が多いです。
マイカーローンのように特定用途のローンよりは金利が高く、銀行でも年2%台~6%程度に設定されています。
また、銀行以外では消費者金融でフリーローンを扱っています。
本来のフリーローンは、決まった金額を借りて、その後は借り増しをせず返済していく金融商品です。
ただ、フリーローンを扱っていない消費者金融でも、借入限度額の範囲内で、何度も自由に借りられるキャッシングを利用できます。
銀行・消費者金融フリーローンの審査基準
銀行のフリーローンは、同じ銀行のマイカーローンと同じで、定収入のある20歳以上であることが条件となっています。
基本的に銀行は、確実な返済が見込めない顧客にはお金を貸さないところだからです。
次に、大手消費者金融の多くは銀行傘下に入っています。
消費者金融は銀行では融資の難しい顧客を対象に貸付をしているため、両者は競合せず、提携しているのです。
消費者金融の審査は緩く、その日のうちの融資も可能であることが多いです。
借りやすい代わりに金利は高くなります。
具体的には借入金額によって変わりますが4%台~18%まで幅広いです。
免許費用をローンで払うメリット・デメリット
免許費用をローンで払うことのメリットは、お金を貯めなくても免許が取れる点が大きいのではないでしょうか。
特に高校生では卒業から就職・進学まで、大学生なら就職活動が始まる前など、決まった期間で免許を取りたいときにローンは便利です。
社会人においても、免許がないことで仕事の内容が制限されてしまうようでは、せっかくのチャンスを失いかねません。
とりあえずローンで免許を取っておけば、ボーナス返済などの活用が考えられます。
また教習所の免許ローンは、最初から未成年や学生の利用も前提にしているので、審査がそれほど厳しくないのもメリットでしょう。
未成年や学生に、社会人のような返済能力や信用がないのは当たり前だからです。
免許ローンのデメリット。2ヶ月以上滞納するとブラック扱いになってしまう
対するデメリットですが、これは一般的にお金を借りるときに共通するものです。
- 利息を払わなくてはならない
- 当面の間は返済で生活が苦しい
- 返済を滞納するとブラック扱いになる
免許取得費用である約30万の借り入れ金額は、若い世代にとって大きな金額ですから、どうしても毎月の返済金額を少なくしがちです。
そうすると、36回払いやそれ以上の返済回数になってしまいます。
例えば、30万円を36回払い、金利12%で借りると、毎月1万円弱の返済を3年間繰り返し、総返済額は約35万9千円となります。
3年で約5万9千円の利息を、高いと見るか安いと見るか、その判断は人それぞれですが、免許を取ったら車が欲しくなり、車をローンで買って自動車保険も払うと、毎月の支払いが膨大な金額になります。
ローンを利用する場合、免許を取りやすいメリットがありますが、免許を取得した後は返済の負担が発生するというデメリットを忘れてはなりません。
まとめ 教習所に通うのは時間がある学生のうちに
できれば免許費用を親から借りられると、出世払いなど返済も楽なのですが、免許を取る年齢にもなれば、なるべく親に頼りたくない感情もありますよね。
教習所に通うことのできる期間が学生時代の間など、ある程度限られていることを踏まえると、それほど迷っている時間はありません。
デメリットを承知の上で免許費用をローンで払い、自分の責任で免許を取るのも立派な大人の行動です。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |