万が一に備えて入っておく「生命保険」。
毎月の保険料がけっこう高くて大変…と思ったことはありませんか?
こんな風に思っているのはあなただけではありません。
生命保険の保険料を払わないとどうなるのか?
その流れと解決策についてお伝えします。
生命保険はいざというときのためのもの。
保険料の支払いが2カ月続くと「失効」、それでも払えなければ「解約」になるだけに、将来のことも考え早めの手を打っておく必要があります。
解決法としては
- 一時的に払えないなら「自動振替貸付制度」を利用
- 保険料は払わず保障を残すなら「払済」か「延長」
- 契約内容を変えて月々の保険料を安くする
- 保険料の安い保険に切り替える
詳しくは本文を参考にしてください。
払えないと強制解約に。2ヶ月以上の滞納はレッドゾーン
保険料が払えないとどうなるのか?さっそくその流れを見ていきましょう!
詳細はあなたが加入している保険によっても異なりますので、ここでは一般的なケースとしてお話しします。
- 2カ月未納が続くと「失効」になる
- それでも払えなければ「解約」になる
1.2カ月未納が続くと「失効」になる
どの保険会社もそうですが、保険料を払わないからといきなり「失効(保険の効力がなくなる)」ということにはなりません。
「なら、いつになったら失効になるの?」
通常、猶予期間は「2カ月」。
月払いか年払いかなど払い込み方法によって決められています。
- 月払い・・・払込月の翌月1日から末日まで
- 半年払い・年払い・・・払込月の翌月1日から翌々月の月単位の契約応当日まで
「応当日」というのは、毎月の契約日と同じ日付のこと。
例えば、5月3日が契約日だとすると、毎月3日が契約応当日になります。
つまり、7月分が払えなかった場合、7月3日が「応当日」。
8月3日~9月3日までが「猶予期間」ということになりますので、この期間に払えば保険はそのまま生かされます。
2.それでも払えなければ「解約」になる
残念ながら、どんなに長く保険料を払っていたとしても、この猶予期間が過ぎても払えなければ「解約」ということになります。
「掛け捨て」は長期入院中に失効になっていることも
保険会社によっては「自動振替貸付」という制度があります。
この制度が適用されると解約返戻金の範囲内で保険会社が一時的に保険料を立て替えてくれますが、放置していると保険が失効する可能性があります。
病気やケガで長期入院している間に保険料が払えず、退院後に保険金の請求をしたところ失効していた…というケースもあります。
こうしたことがないよう、掛け捨ての場合は、ご家族にも保険があることを伝えておきましょう。
保険の保障を残すかどうかで解決策は違ってくる
いざというときに困ったことにならないためにも、保険が解約にならずに済む方法は次の4つです。
- 一時的に払えないなら「自動振替貸付制度」を利用する
- 保険料は払わず保障を残すなら「払済」か「延長」
- 契約内容を変えて月々の保険料を減らす
- 保険料の安い保険に切り替える
では、詳しく説明していきます。
1.一時的に払えないなら「自動振替貸付制度」を利用する
保険会社によっては「自動振替貸付」という制度があることは、前項でもお伝えしました。
この制度を利用すれば、解約すると戻ってくる「解約返戻金」の範囲内であれば、自動的に保険会社が滞納分の保険料を立て替えてくれます。
つまり、保険の保障はそのまま継続する、ということですね。
もちろんあくまでも「貸付」なので、立て替え期間中はしっかりと利息がつきます。
何カ月、何年も払えない状態が続けば、結局は返戻金では足りなくて失効になってしまうこともあります。
一時的にどうしても支払いは厳しいけど、保障は残しておきたい…という方にはお勧めの方法です。
あなたの入っている保険会社にこうした制度があるかどうか、サイトで確認するか直接営業所に問い合わせてみてください。
2.保険料は払わず保障を残すなら「払済」か「延長」
今後も保険料は払えないけど、保障は残しておきたい…という方には、「払済」「延長」という方法があります。
どちらも掛け捨てではなく、「解約返戻金」がある保険には限られますが、今後は保険料を払わなくてもいいので経済的にかなり楽になるはずです。
保険期間は変わらず保障額が減る「払済保険」
その時点の解約返戻金の額をもとに、契約していた保険の保証期間は変えることなく、同じ種類の保険や養老保険に変える保険。
ただし、変更前の保険に医療特約などがついていた場合は消滅してしまいます。
- 保険期間は今までのまま
- 今後は保険料を払わなくていい
- 保障額は下がる
保険金額は変わらず保険期間が短くなる「延長保険」
受け取る保険金の額は変えず、死亡保障だけの定期保険に変える保険。
その時点の解約返戻金の額をもとに計算するため、変更前の保険期間より短くなることが多く、医療特約なども消滅してしまいます。
- 今後は保険料を払わなくていい
- 保険金の額は変わらない
- 死亡保障だけが残る
- 保険期間は短くなる
3.契約内容を変えて月々の保険料を減らす
毎月の支払いが苦しい場合は、支払い額を見直すことも大切です。
例えば、保険金の受取額を1,000万円から500万円にするなど、保険内容の一部を解約することで月々の保険料を減らすことができます。
変更方法によっては解約返戻金が戻ってくる場合もあるので、できるだけ早くに検討したいですね。
4.保険料の安い保険に切り替える
保険料が払えない…といっても、保険にまったく入っていないのも不安ですよね。
「でも、現実的に毎月1万とか2万円も保険料を払えない」
という方であれば、国民共済など保険料の安い保険に切り替える方法もあります。
国民共済(全労済)は厚生労働省の認可を受けた協同組合です。
保障の「生協」とも呼ばれ、営利を目的としていないので保険料が比較的安いです。
月々の保険料は1,000円からと安価ながら、保障内容も充実しています。
生命保険から医療保険、マイカー共済や交通災害共済、住宅の保険まで揃っています。
また「割戻金」というのもあり、年に1回掛け金の一部が戻ってくるのもうれしい特典です。
決算で余剰金が発生した場合に戻ってくる、とされていますがほとんどの場合、1に1度、約1カ月分の保険料が戻ってきます。
国民共済の詳細はこちらのサイトでご確認ください。
「全労済の公式ホームページ | 共済・保障のことなら全労済」
国民共済と同じように安い保険として、全国生協連が運営している「県民共済」もあります。
「共済・県民共済の全国生協連 公式ウェブサイト」
さらに最近は一般の保険会社も、1,000円台で掛け捨ての保険を揃えています。
この際に家族みんなの保険を見直してみるのもいいかもしれませんね。
まとめ 保険は払えないからと放置すると大損
「目の前の保険料が払えない」状態になっている場合、生活が相当困窮しているでしょうからと現実生活にも追われ、保険の見直しどころじゃないと思ってしまっても不思議はありません。
ただ、一番もったいないのは、たった2カ月払えなかっただけで保障がなくなってしまうだけでなく、これまで長く払ってきた保険料がすべて無駄になってしまうこと。
それだけは避けたいですよね。
また、いざというときに保険金が下りてこないのは、やはり困ります。
そうならないためにも、ご紹介した解決策の中からあなたにとってベストの選択をしてくださいね。
監修者:福谷陽子 元弁護士 ライター >プロフィールはこちら |